今回ご紹介するのは、フォトグラファーでありイラストレーターでもあるクリエイター、トコナミレイナさん。今、若者に高い支持を得ている彼女が発信するクリエイションの魅力とは?今後の活動や、作品に込めた思いなどを語っていただいた。

―トコナミさんは、現在はどんな活動を?

写真家、兼イラストレーターをしています。事務所に所属しながらフリーランスのお仕事も受けているという形で。大学を卒業してから本格的に始めたので、まだまだ駆け出しですけどね。

仕事の割合は写真の方が多いです。

―写真を始めたきっかけはなんですか?

大学進学前、たっぷり時間があったので、本や雑誌を読むようになり、出版関係などに興味が出てきて。進んだのは普通の学部でしたが、大学内にある、学生主体で作るフリーペーパーの活動を知って、参加しました。当初は編集希望で入ったのですが、ちょうどその頃、カメラ担当だった先輩が抜けてしまい、私が編集と同時にカメラも覚えることになったんです。編集長がお下がりのカメラをくださって、やってみたらハマりました(笑)

そのうち、編集よりも写真がメインの部員になり、そこから写真を撮るようになって3年くらいですね。

―今はお仕事として、どういった写真を手がけていますか?

以前、『NYLON JAPAN』のストリートスナップや、「ファッションプレス」という媒体のスナップ隊として、2年弱インターンをやらせていただきました。カメラや撮り方についてほとんどのことをそこで学ばせていただいたので、今の自分としては、ストリートスナップが得意分野かなと。そういった機会があると呼んでいただいています。

―好きなフォトグラファーさんなどはいますか?

鈴木親さんです。たとえば、シャネルの何百万円もする服を小松菜奈ちゃんに着せて、東京の雑多な場所、汚い路地なんかに立たせて撮った写真とか。そういった世界観の演出も含め彼の写真がすごく好きです。きれいな写真ももちろん好きなんですが、そういうのは写真を学んできた人には絶対に勝てない部分があって。光の入れ方や構図とか。私は、人に頂いたり中古で買ったりしたカメラや初心者用のカメラを使って、どこまでのいい写真が撮れるか、というのをモットーにしています。

―同世代で気になる人はいますか?

仲がいいのは、カメラマンのヨシノハナちゃん。彼女の作風は私と全然違うので、どうやって撮ってるんだろうって、すごく興味があります。彼女は私より1、2歳年下なんですけど、いろんな活動をしていて格好いい。負けてられないなって、刺激を受けます。

―ご自身がよく見るメディアも、ストリート系が多いですか?

ストリートスナップは、雑誌やSNSでもたくさん見られますが、あえて「チラ見」くらいに抑えてます。というのも、私は良くも悪くも感受性が強すぎるのか、見たもの全部に影響を受けてしまうんです。影響を受けすぎて丸パクリのようになるのは避けたいので、見ること自体を制御しているんです。

一番よく見る雑誌も、実は『FIGARO』です。「なんでこんなかっこいい写真が撮れるんだ!?」と思いながら(笑)。憧れもありますし、ストリートの写真に活かせないだろうか、と思いながら見てます。ハイブランドのビジュアルを見て、「ストリートではない部分を、いかにストリートに持っていけるか」について考えることが多いです。

―多くのストリートスナップの中で、差別化のために意識していることは?

「ファッションプレス」の仕事では、媒体のカラーがあったので、それに合った雰囲気のモデルさんを選んで撮っていました。現在はフリーの立場なので、私自身の感覚的なところが強いですね。ビビッときたら、日本の方だろうが、外国の方だろうが構わない。走って行って、「撮らせろ!」という勢いで(笑)。

―よく撮影する場所はありますか?

人が集まるところとなると、渋谷、表参道、原宿が多いですね。ファッションに関心の強い観光客の方が集まる場所でもあるし。今後はもっといろんな場所で撮りたいですね。

―外国に行って撮ることはあるんですか?

去年の11月に、一人でロサンゼルスとサンディエゴに10日間くらい行って、ひたすら写真を撮りまくりました。日本とは「空気」が違うので、同じフィルムを使っても、「ド・ストライク」な写りになるんですよ。それに、ロサンゼルスはハリウッドがあるからか、前に出たがる若者が多くて。たとえば、雰囲気のある2人組の男の子を撮ったんですけど、着ているものはデニムの袖なしとか、日本だとちょっと難しい格好なのに、めちゃめちゃ格好よく撮れたんですよね(笑)。

あと、強く感じたのは、外国にいると、生活の中にカメラがあるのが不自然じゃないということ。今まで行ったのは、ロサンゼルス、サンディエゴ、ニューヨーク、台湾だけですが、どこの都市でも、人々の生活とアートがすごく近い距離にあるように感じました。日本人とは捉え方が違うなって。私は日本も大好きですけれど、日本人には、もっとアートに慣れてほしいという気がします。アートを、写真を、もっと身近に感じてほしいと思ってます。

―今後は、もっと外国で活動したいなとも思いますか?

そうですね。実は、カメラを始めて半年後の二十歳のときに、「十年後は海外を拠点に活動する!」と目標を掲げてしまったので(笑)。はじめて行った外国はニューヨークでしたが、衝撃が大きかったです。「ニューヨークって、受け入れてもらいやすい街だけど、認めてもらいにくい街だな」って感じました。でも、逆にそれがすごくおもしろいって思ったんです。私のギャンブラー精神っていうか、挑戦したい気持ちを掻き立ててくれて。

―ヨーロッパとかはどうですか?

来月、ロンドンに行きます。ロンドン・ファッション・ウイークが開催されるので、そこでハイエナのように撮りまくってこようと思ってます(笑)。

―もうひとつ、イラストレーターについての活動についても聞かせてください。イラストはいつから?

物心ついたころから絵は描いていました。保育園の頃から目立ちたがり屋で、絵を描くと先生や友達に見てもらえるってことに快感をおぼえて。上手いわけじゃないけど、ひたすら描いて、絵をプレゼントしていました。それからずっと趣味として描いてましたね。

―トコナミさんのイラストは、カラフルで、線がはっきりしていますね。海外のアニメ『ゴールデンエッグス』の絵見たいな。

ありがたいです! 私が目指すところは、「アメリカの中学生の落書きみたいな絵」なんで。やっぱり、二次元で何かを表現したいっていう気持ちがありますね。

 

―「この絵は、この人!」とわかってもらえるようなイラストレーターっていいですよね。

そうですね。私、黄色が好きなこともあって、レモンをアイコンにしてるんですけど、「レモン=トコナミレイナ」って思ってもらえるようになるといいな、と。

 

 

―はじめての個展も開催したそうですね

はい、7月に初個展を開くことができました。私のイラストをプリントしたTシャツ「USS18」を着たモデルを撮り下ろした写真を展示し、Tシャツの販売も行いました。実は、Tシャツは数年前から作ってたんです。友達がほしいって言ってくれるので。それで、今年も作って、なんとなく事務所の人にお見せしたら、「せっかくだから個展を開いて、Tシャツもグッズとして販売したら?」と言ってくださって。そこから個展のために2ヶ月間で一気に作品を撮りました。

Tシャツにすることによって、「歩く美術館」のように、私の絵を着て歩いていただけるというのは、また違った喜びがありますね。すごく嬉しいことだし、今後も作っていきたいです。

―今後の活動予定は?

近々の予定としては、ロンドンに行って写真を撮ってくること。そして、撮った作品を、まずは福岡でアウトプットしたいと考えています。あとは、できればそこから巡回していけたらいいですね。

―最後に、クリエイターとして、心がけていることやビジョンを聞かせてください

私が大切にしているのは、作品を見てくれる方に絶対に不快感を与えないということ。人々を笑顔にする作品を作りたい、ハッピーなイメージの作品を作りたいというのが、すべての根本にあります。実際、私の撮影現場では、みんなずっと笑ってるんです。被写体になってくれるモデルさんに、「かわいい!」「かっこいい!」って声をかけながら、私はずっと笑顔でシャッターを切っています。

だから、その「ハッピーな空気」ごとつかんで作品にしていきたい。モデルさん、スタイリストさん、ヘアメイクさん、私のまわりにいるすべての人たち、そして作品を見てくださる方々を、みんなハッピーに巻き込んでいきたいと思っています。

 

トコナミレイナ(Reina Tokonami)

1995年 鹿児島県生まれ。独学でイラストと写真を学び、写真家としてキャリアをスタート。独特な色彩感覚を持ち合わせ、唯一無二の表情に仕上げていくスタイルが特徴。wooly magazine主催イベントでライブペインティングを披露するほか、数多くのDJイベントに作品を展示するなど活躍の幅を広げる。

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