SARAH- COLETTE STORE.LAST DAY

昨年12月に20年の歴史に幕を閉じたパリのブティック、Colette(コレット)。世界中から厳選された”新しいモノ”が集まるそこは、フランスだけではない世界中のバイヤーやファッショニスタに愛されてきた。

コレットとは?

Colette’s community manager Sandrine Tonye.

コレットとは、1997年にパリの中心地近く、サントノーレ通りに創業したブティックである。ファッションだけに限らず、アートや音楽など人々の感性を刺激するものに溢れていた。

コレットはパリの、いや世界のファッションブティックの、まさに頂点の存在である。服や靴やバッグはもちろん、音楽もアートもファッション雑誌も、「最も新しいもの」や「最高に良いもの」は、すべて最初にコレットにあった。

世界のバイヤーはパリにくると、まず一番に「コレット詣で」をした。ファッションウィーク中に、そのウインドウで展開される「特集」を見るだけでも勉強になった。また世界のファッション誌も「コレットに置いてもらう」ことが、一つの目標であった。6月、偶然同じ飛行機に乗り合わせた、日本のアート的な新雑誌の編集長も、「これを見てもらうつもり」と新刊を手に、その眼を輝かせていた。(GQJapanより)

娘、サラが語るColetteの始まりと終わり

そんなコレットを生み出したのはとあるフランス人親子である。その母の名前から、コレットと名付けられた。共同創設者で娘であるSarah Andelman(サラ・アンデルマン)はLe Parisienの取材にこのように語っている。

コレットの閉店を知らせることにインスタグラムを利用したことは最良の方法だったと思う?

−コレットの閉店は母の決断です。一緒に働いてきた従業員に一番に知らせる事以外はあまり考えすぎることなく決めました。

反響はたくさんあった?

–あまり多くの反応を得られるとは思っていなかったわ。けれど実際には本当にたくさんの人々が応えてくれました。

コレットの始まりはとてもシンプルな出会いだったんだよね?

–コレットは本当にこの場所で誕生したわ。当時私たちはここの上に住んでいて、毎日をこの空きスペースの前で過ごしていたの。そこである日、この場所で毎日ランチができて、アート、ファッション、デザインや音楽が全部集まった場所が作れないかってアイディアが湧いたの。私たちは目まぐるしく働きたいと思っていたし、少しずつそれを実現させていったわ。

理想的なお店は出来た?

–当時パリは荒波の中にありました。ブティックはニューヨークやロンドン、東京とは全く異なる時代のものだった。パリは世界で一番美しい街だったけど、そこで良いアイテムを見つけることができなかったの。今では全てがより手に入りやすくなったわ。

ということは後悔は何もない?

–これまでに私たちが見つけ出した全ての商品が重要なものになりました。このことは素晴   らしい出来事だわ。多くの人々が私たちのストーリーに関わってきた。20年は美しい年月です。私たちはまだ続けられたかもしれません。けれど一度は全てを見てきたはず。そして母は、このストーリーが悪くなっていくよりも最高の状態で自ら幕を閉じるのを好んだの。ブランドをなぜ売却しなかったの?ともよく聞かれたわ。でも、コレットは私と母なしではコレットではなくなると思いました。

閉店から1年

コレット閉店時にはインターネット上が#coletteforeverのハッシュタグに溢れた。そして今もなお残るコレットのホームページには、今まで当店に関わってきた数々の人々のメッセージ動画と共に、今もなお世界中から寄せられるメッセージを見ることができる。

次なる挑戦

コレットをクローズした後もサラの挑戦は終わらない。現在は新しくコンサルティングの会社を設立した。コレットの20年という年月で得た経験と感性を存分に生かして、また新たなジャンルへと踏み出したサラ。WWDの取材では、また新たな店を開きたいかという問いにこのように答えている。

実はまったく小売りの仕事が恋しくなっていない。ショッピングは大好きだけど、ショップを運営することはとても大変な仕事。コレットでは優秀なチームと共に自由にたのしく冒険ができたから、今後はその経験を生かして、他の企業のお手伝いをしていきたい。今の私は影の存在で、クライアントにフィードバックをする役割。それを本当にたくさんの企業が必要としていると実感している。

長い間世界中の人々に注目され続けてきたコレットは、今では新たなチャレンジャーを陰ながらサポートする道を選んだ。サラは、このようにしてファッション業界全体が面白くなっていくことを望んでいるのではないだろうか。

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