自身のブランドはもちろん、Givenchy(ジバンシィ)のクリエイティブディレクターとして世間に名が広まった、イタリアのファッションデザイナーRiccardo Tisci(リカルド・テッシュ)。

昨年Burberry(バーバリー)のチーフディレクターとして就任しまた話題が絶えない。クラシックを現代風にアレンジするのが得意な彼が新たに挑戦する英国の伝統的ファッションブランド。彼は新生バーバリーをこれからいったいどう動かして行くのか。今回は、21世紀ファッション界の偉大なる才能、リカルド・ティッシュを独自の角度で特集したい。

Riccardo Tisci(リカルド・テッシュ)

1974年、南イタリア(タラント)出身。ロンドンのファッションスクール名門校「セントラル・セント・マーチンズ・カレッジ」を優秀な成績で卒業した後、初めはイタリアに戻り「PUMA(プーマ)」や「アントニオ・ベラルディ」などの大手ファッションブランドと契約し活躍した。

イタリアの有名ブランドでの貴重な経験を得た後、2004年独立してインドに渡り、彼の長年のデザイン構想を遂に完成させる。同年ミラノ・ファッションウィークで「リカルド・ティッシュ」として最初のコレクションを発表。ミラノファッション特有のプレタ・ポルテラインの伝統とルールを型破りに崩した初デビュー作品が一気に話題となる。

翌年、フランスのオートクチュール・ブランドとして有名な、Givenchy(ジバンシィ)のクリエイティブディレクターとして誇らしくも任命される。彼の輝かしいファッションキャリアのはじまりだ。

Givenchy(ジバンシィ)での活躍

ジバンシィと言ったら、女優オードリー・ヘップバーンの衣装を手掛けたことなどで世間から知られているが、クラシックなフレンチスタイルを保守的に表現するエレガントなスタイルが特徴だ。

リカルド・ティッシュは、この保守的ファッションを現代風の「ゴシック×ロマンティック」という新たなテイストにがらりと変容させた張本人だ。Givenchy(ジバンシィ)の再復活に多大に貢献。彼の才能がここで一躍注目されることとなるのは、もはや言うまでもない。

新生Burberry(バーバリー)の今後の行方

昨年の春夏コレクションより新たなバーバリーでの任務がはじまっている、リカルド・ティッシュ。バーバリーは、トレンチコートや定番チェックの生地を使用したスタイルでおなじみの、英国の伝統的ファッションブランドだ。1856年創業された老舗中の老舗。

エレガントなセレブの日常着や正装服としてスタイルを提供しているジバンシィとは異なり、バーバリーは元来、冒険家や飛行機のパイロット衣料などの服装を提供している。ジバンシィと比べると、よりカジュアルでスポーティーなブランドイメージが強い。

昨年2019年のロンドンコレクションで発表された、新生バーバリーでは英国の伝統的スタイルを残しつつさらに「パンク×ゴシック」という要素を新たに付け加えたリカルド・ティッシュらしいフレッシュな展開を見せている。ロゴを新たに改訂し、お店も改装させた。彼の新しいブランドヴィジョンは、衣料に限らずバーバリーの再活性化とリエンジニアリング。まさに現在、英国自体が必要としている再構築構造により近い発想を見せている。

リカルド・ティッシュのキャンペーン術

リカルド・ティッシュが21世紀のファッションデザイナーとして非常に優れている点は、ただ衣料のデザインだけではなく、マーケティング技術とブランド戦略をとても上手に再構成させることにある。

-6人の有名ファッションフォトグラファーをキャンペーンに起用

昨年9月の新バーバリーデビュー時に行った、彼のキャンペーン策は、Nick Knight(ニック・ナイト)などを含んだ著名なフォトグラファーを起用し展開させることだった。その時、バーバリーの新作撮影に参加した写真家はNick Knight、Colin Dodgson、Danko Steiner、Hugo Comte、Peter Langer、Letty Schmiterlowの6人。最先端のモードで活躍する非常に豪華なメンバーだ。

リカルド・ティッシュ:僕はファッションフォトグラファーを同時に6人も起用した、それぞれが異なったエネルギー、経験を持っていて、世界を見る目が全く違う写真家たちばかりだ。彼らはイギリスでマスタークラスのフォトグラファーだったり次世代に強いメッセージ性がある者たち。多世代の男女をターゲットに持つバーバリーの新しい時代を作るためには、優秀な写真家たちのバーバリーに対するそれぞれ独自の目と解釈が必要だと思ったんだ。

(AnOtherより)

老舗ブランドを時代に沿って新たに再構築させる鬼才、リカルド・ティッシュ。衣服のデザイン展開のみではなく、ブランドコンセプト自体のリクリエイションに力を注げる。新生バーバリーの今後の展開と進化がより楽しみになった。