今年で30周年を迎えたイタリア・ミラノにある有名セレクトショップ「Slam Jam (スラム ジャム)」。 

先日開催されたピッティ・ウォモではその周年を祝うものとして、Carhartt WIP(カーハート ダブリューアイピー)、STUSSY(ステューシー)、Nike (ナイキ)とのコラボが同時発表され、話題となった。 ストリートウェアの流行に先駆けたジェネレーターと呼ばれ、世界で注目し続けられているスラム ジャムが追い続けるものとは、一体何なのだろうか。 

ストリートウェアの父、ルカが歩んできた30年 

スラム ジャムは、創業者でありファッションディレクターであるLuca Benini(ルカ・ベニー二)によって今から30年前に始められたセレクトショップである。 ラグジュアリーブランドがストリートスポーツウェアを取り入れる以前から、イタリアでストリートウェアを広めたルカは、まさにその流行のきっかけを作った、父とも呼ばれる存在である。 STUSSY(ステューシー)やCarhartt WIP(カーハート ダブリューアイピー)、UNDERCOVER(アンダーカバー)を始めとするストリートブランドのイタリア国内での正規代理店をいち早く務め、広めたことでも有名だ。 

そういった背景もあり、独自の目線でセレクトされたそのブランドたちは人々から支持されるだけでなく、ヨーロッパにストリートウェアという今まで受け入れられなかったものを浸透させていく結果となった。 スラム ジャムは ”connecting tribes of like-minded people across the world(世界中の志を同じくする仲間を繋いでいく)”という理念の基、ルカのストリートウェアへの強い思い入れから、ビジネスがスタートした。 イタリア郊外にある倉庫で始まり、現在はミラノに店を構える有名セレクトショップとなるまで、30年という何とも長い道のりを歩んできた。 卓越したセンスによるセレクトや優れたディレクション力も功を奏し、徐々にヨーロッパを中心にその名を知られ、強い影響力を持つようになっていった。 過去にはイタリアのスポーツブランドのKappa(カッパ)やTHE NORTH FACE(ザ・ノース フェイス)、mackintosh(マッキントッシュ)といった有名ブランドのディレクションや、別注ラインも手がけたことからも、その実力と人気の高さが図られる。 

ストリートカルチャーとの強い結びつきから見える今後のヴィジョン 

スラム ジャムといえば、ストリートウェアを販売するだけでなく、サブカルチャーに特化したスタイルや結びつきが濃いことでも知られている。 創業時、ルカはDJとして活動していたこともあり、ヒップホップを始めとする音楽を通し、当時からストリートカルチャーの世界観に魅せられていたという。 ストリートウェアの背景にある音楽を始めとするサブカルチャーとの強い結びつきがあったルカは、そのコミュニティを通じ、ロンドンでビジネスを開始、その後はアメリカへと徐々に拡大していった。 

当時、Sonic Youth(ソニック・ユース)やBeastie Boys(ビースティ・ボーイズ )と深い結びつきのあったXLARGE®(エクストララージ)のTシャツをショップで取り扱い、80年代のヒップホップムーヴメントやアンダーグラウンドカルチャーを、それまで馴染みのなかったイタリアへ広めたのは、間違いなくルカだとも言われている。 そういった経緯もあり、19年秋冬ピッティ・ウォモでは、Carhartt WIP(カーハート ダブリューアイピー)、STUSSY(ステューシー)、Nike (ナイキ)とのビッグコラボが実現し、30周年と共にその存在の偉大さを改めて、ファッション界へ知らせる結果となった。 

このようにファッションにおいて、サブカルチャーとの結びつきを大切にするルカは以下のように語っている。 

“This is what I’m looking for: not only clothing but what’s behind it. The bigger picture” 

「これが私が探しているものだ、洋服だけでなくその背景にあるもの。より大きな絵だ」 

(Dazed & Confused Magazineのインタビューより) 

これらを振り返っても、ストリートウェアのジェネレーターとして、30年第一線を走り続けてきたスラム ジャム。 ファッションディレクターとして先見の目を持ち、サブカルチャーと共にストリートファッションを成長させた影の立役者のような存在のルカ。 彼が夢見るヴィジョン、スラム ジャムが発信、表現し続けるストリートファッションから、今後もますます目が離せなさそうだ。 

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