ファッションでありながら、アートでもある、その境界線が曖昧で、絶妙なバランスで繋がり描かれている、新進気鋭のブランド、Chromosome Residence(クロモソーム レジデンス)。 

高い美的センスを持ったヨーロッパ国内外のアーティストたちを中心に、強く支持されながらも、時に多くの物議を醸し出すことでも密かな話題となっている。 謎に包まれた、ミステリアスなアップカミングで気になる存在、今注目すべきそのブランドの詳細とは、一体どのようなものなのだろうか? 

驚きの染色体、Chromosome Residence(クロモソーム レジデンス)とは 

Chromosome Residence(クロモソーム レジデンス)は、ファッションデザイナー、アーティストとして活動するRafa Bodgarによって立ち上げられ、2017年春夏からコレクションデビューしたスペインのファッションブランドだ。 

同ブランドが注目を浴びている理由は、その前衛的で新進気鋭なファッションスタイルだけではなく、独特で個性的なインスタレーション方法である。 彼の生み出すものは、ポストモダニズムといった近代主義への反発とも似たような、反美学主義に基づいたアイディアで構成された作品が特徴的となったものがほとんどだ。 

社会的に”模範”とされるような事柄を、真っ向からユーモラスに批判し、自身の視点で再定義し直すといった、社会的要素の強いメッセージが込められているといったようなものだ。 実際に過去のアーカイヴでは、自然に膝が動かないようにデザインされたサイハイブーツやパンツや、サイヴォーグの花嫁が人間という形に終止符を打ち、結婚式を挙げるといった内容のインスタレーション方法で、コレクションを発表した。 

モデルのキャスティングも風変わりなことで有名で、奇形、醜さ、不自由さといった、美しさという概念を否定するものを表している。 

これらは、もはやファッションという概念を超え、シュルレアリスムと呼ばれる超現実主義といった芸術に近いと、人々を驚かせている。 その実験的で、反社会的なメッセージを持つ彼のコレクションは、常にファッションの限界に挑戦し続けてきたCOMME DES GARCONS(コム デ ギャルソン)の川久保玲氏の再来だとも、業界内では、期待の声も上がっている。 

視覚的に最大限に訴える、アートなメッセージたち 

 同ブランドのアートなメッセージたちは、コレクション以外にも公式ページやオフィシャルInstagramでも確認することが出来る。 

実際に、ルックや投稿画像が公開される度に、人々に衝撃を与え、物議を醸し出すのも面白い事実だ。 身体の自由さ、不自由さを表現したものから、生殖器をファッションとコラージュさせたもの、時には性別、人種、年齢、動物までを批評するかのような作品まで、実際に見るとテーマ的にも視覚的にも、かなり際どいものが多い。 

一方で、作品自体のインパクトやメッセージ性が強いことから、その裏側にある真意をイメージしやすいといった、明瞭さも持ち備えているという強みもある。 これらを見ているだけで、まるで一つのアート作品たちを見ているかのような気分にもさせられるといった不思議な魅力があるのも事実だ。 

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thing that looks like hot always taste nice.

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国内外から狂気的に支持される不思議な魅力と関係性 

そんな不思議な魅力に魅せられているのは、ファッション、アートに関心の高いヨーロピアンたちだけではない。 実際に、その人気や話題性の高さは国内外に渡り拡大しつつあり、その中には、Arca(アルカ)、Brooke Candy(ブルーク・キャンディ)などを始めとするミレニアル世代のヒップなアーティストたちも含まれている。 このように多くの人々に注目されている同ブランドだが、ファッション、アートの要素がどちらも強すぎて、ファッションブランドなのか、アート作品なのか、実際に曖昧なバランスを保っている。 

デザイナー自身はこの点に関し、「すべてのコレクションは1度だけのものであり、それこそが何かを芸術に変えるものである。これらの関係はアーティストとコレクターだ。」と意見するなど、ファッションをアートに変えていくといった過程を持つことを説明している。 実際には着る機会が無い、衣服としての機能をほとんど果たしていないといった事実を、逆に利用し、アートへと変えていくのだ。 ナンセンスとハイセンスが上手く交わった瞬間、ひとつのアート作品が誕生するのである。

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bota bota con mis botas . ©®18 putaboots

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ファッションからアートへ、境界線を曖昧にし続ける不思議な魅力を持つ、クロモソーム レジデンス。 

ブランド名を直訳した「染色体の住処(すみか)」には、まだまだ様々な無限の可能性が秘められているかのようだ。 日本へはまだ未上陸であるが、その様子はブランドの公式ページ、Instagramにてチェック出来るので、ぜひ自身でファッションとアートの境界線を体感してみるのも良いかもしれない。 

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