キング・オブ・ポップとの異名を持つマイケル・ジャクソンの死から今年で10年目を迎える。そして今フランス、パリで彼にまつわる展示会が開かれている。

そこには、アンディー・ウォーホルなど世界中の有名アーティストが手がけたマイケルにまつわる作品が集結している。その中には、生前にマイケル自ら依頼し、完成を見ることができなかった肖像画も展示されている。マイケルが完成を心待ちにしたその作品や、世界中のファンの愛に溢れた展示会の様子を紹介する。

マイケルが見ることが叶わなかった肖像画

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昨年の11月よりフランス、パリで開催している『Michael Jackson:On the Wall(マイケル・ジャクソン:オン・ザ・ウォール)』。1979年に出したマイケル初のソロアルバム『Off the Wall』にかけたタイトルとなる当展示会。公的機関の彫像品や個人が所有しているコレクション、本展のために製作したものなど合わせて121点ものアーティストの作品が集められた。

中でもひときわ目を引いたのは、入り口正面に置かれた高さ3.5メートルの巨大なマイケルの肖像画だ。これはマイケル本人が、Kehinde Wiley(ケインダ・ウィリー)というアメリカ人画家の作品に心を打たれ、是非自分の肖像画も描いて欲しいと申し込んだことから始まった。ケインダ自身は、いきなりのマイケルからの連絡に信じられず、最初は連絡を無視したとも言われている。多忙なマイケルとの打ち合わせは思うようには進まず、連絡も途絶えてしまったという。そしてマイケルは亡くなった。しかしケインダの手で作品は完成し、日の目を見ることができた。この作品は、ルーベンスの「フェリペ2世騎馬像」をマイケルに置き換えて描いたもの。白馬にまたがるマイケルの上空には白い肌をした天使と黒肌の天使の2つが描かれている。

ポップ界のキングからポップアートのキングへ

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今回の展示会では、1987年に没したアメリカ人画家のアンディー・ウォーホルが描いたマイケルの絵も数点展示された。1984年に描かれたその肖像画が表紙に使われた、当時の「TIME」誌の現物も展示されている。

1人1人の「マイケル愛」

今回展示された数々の作品はどれもアーティストの個性に溢れている。その作品からは、マイケルジャクソンが現代のアーティストにまで多大な影響を与え続けていることが見て取れる。また当時の熱狂ぶりが伝わってくる、生前のマイケルのライブ映像や一般の人々が自分なりのムーンウォークを1人ずつ披露していく映像も流された。

そしていくつかある映像作品の中でも、キャンディス・プレイツの「KING」という作品はひときわ注目を集めた。この作品は、展示スペースの一部分にさらに部屋を作り、その暗い部屋の中で1つの映像を流し続けるというものだ。その映像とは、応募で集まったマイケル・ジャクソンのファン16名が、それぞれ個室に入り、そこでマイケルのアルバム「スリラー」の曲が全曲流されるなか、その場で思い思いに音楽を表現するものだ。その人々の年齢や性別、人種は様々。ノリノリでダンスするものや、曲を口ずさむもの、軽く体を揺らすだけの者までその表現の方法は様々。だがそこには、見るものを笑顔にしてしまう面白さがある。

そしてこの展示会から言えることは、マイケル・ジャクソンという人物は生前から死後まで、これだけ大勢の人を惹きつけ、魅了し、影響やインスピレーションを与えてしまう存在だということ。そしてこの会場はまるごとマイケルへの大きな愛に溢れているように感じた。

 

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