アート大国とも呼ばれるヨーロッパでは、街並みなど日常からも芸術やアートを感じられる場面が多く、人々の興味、関心度も高い。 歴史的にも多くの著名なアーティストたちを輩出していることでも有名だが、現在も才能溢れるヤングアーティストたちの活躍が目覚ましい。 

そんな彼らが日常的にどうやって日々感性を磨いているのか気になるところだが、スマートフォンのアプリにも、そのヒントが隠されているという。 今海外で話題の、毎日をクリエイティブに変え、アートを感じ、感性を磨ける、最先端の体験型アプリたちを紹介。  

コネクションを築き、コミュニティを提供する参加型アプリ 

Exhibitionary(エキシヴィジョナリー)

クリエイターのソーシャルネットワークアプリ

ロンドン、ニューヨーク、北京、ベルリンなどのアートギャラリーを多く持つ都市に特化し、展示、展覧会情報に加え、ギャラリーオープニング情報、アーティストによるリコメンドリストの閲覧や作成が出来る、アートに興味がある人に加え、ヤングアーティストをターゲットととしたアプリだ。 ヤングアーティストにとって、コネクションを作るのに一番有効な場所が、ギャラリーのオープニングだとも言われており、そういった場でどう良いコネクションを築いていくのかが、今後の活動にも関わってくると言っても過言ではない、彼らにとって大切なソーシャルの場なのである。 

特に、今のヨーロッパのアートシーンを象徴する都市ドイツ・ベルリンでは、多くのアートギャラリーが街に存在するだけでなく、アトリエを構えるヤングアーティストの数も年々増加中だ。 

そんな彼らの多くには、ドイツ以外の国からの移住者も多く、 新しい土地で、有力なコネクションを築くには、ソーシャル活動がとても重要になってくる。 同アプリでは、開催中の展示会情報に加え、ほぼ毎週のように開催されているギャラリーのオープニング情報が記載されている為、多くのヤングアーティストたちにとっても、良い情報源となっており、実際に活用している人が多い。 

その他、アーティストのリコメンド情報を元に、お気に入りのギャラリーリストやウォッチングリストを作成、閲覧することが出来、アーティスト同士のコミュニティを活性化する役割も果たしている。 

 アーティストによる、アプリを超えたアートプロジェクトたち  

Biophilia(バイオフィリア)

Björk(ビョーク)が手がける、音楽とアートを繋げるクリエーションアプリ

同アプリは、2011年に発売された同タイトルのアルバムの発売を記念し、アートと音楽をつなげる目的のプロジェクトの一環でスタートしたものだ。 元々「エターナル・サンシャイン」などの映画監督も手がけていたビョークは、音楽だけでなく視覚的感性も高く、アプリ内では、曲ごとに様々なテーマを持った映像が展開される。 

また、このアプリは「教育的プログラム」がコンセプトとなっており、自然や生命、音楽やテクノロジーについて学ぶことが出来、聴く人へ能動的リスニング体験を提供しており、子供向けのワークショップ開催などの活動の広がりも見せている。 音楽とテクノロジーを組み合わせた、ハイセンスでクリエイティブなこのアプリは世界中で高く評価され、後にはMoma(ニューヨーク近代美術館)にて、初のアプリ作品として収蔵されている。 

#smilesfilm(スマイルズフィルム)

オノ・ヨーコのコンセプチュアルアートに参加出来るアプリ

世界的なアーティストとしてその名を知られるオノ・ヨーコが手がける同アプリは、世界中の笑顔を収集するというコンセプトの元、彼女のアート活動の一環としてスタートしたアプリだ。 

同アプリでは、twitterやinstagramでハッシュタグ「#smilesfilm」を用い、笑顔の写真をアップすると世界中の人が繋がり、その笑顔を見れるというものだ。 更に収集された人々の笑顔は、後々映像化される予定で、投稿者はアプリを通し、彼女のアートプロジェクトに参加出来るものとなっている。 

これまでにも笑顔をテーマにしたアート作品を多く発表してきたオノ・ヨーコならではの視点で発表された、シンプルでありながらも世界平和にアプローチする壮大なものである。 これらの2つのアプリは、世界的に活躍する才能溢れるアーティストならではの視点で生まれた、もはやアプリを超えたアートプロジェクトだとも言える。 

芸術やアートを通し、脳に直接アプローチする最新アプリ 

Moodrise(ムードライズ) 

アートから健康にアプローチする、最新脳科学アプリ

最後に紹介するのは、iOS(アイオーエス)とAndroid(アンドロイド)、Google Home(グーグル ホーム)とAmazon Alexa(アマゾン アレクサ)向けに、先日発表されたばかりの最新の脳科学アプリだ。 

このアプリが世界で注目されている理由は、「デジタル栄養素」と呼ばれるデジタルコンテンツを有効活用し、精神的なリラックスを促し、痛みの軽減や、日々の生活を幸せに向上させていくといった目的を持つ、優れたウェルネスアプリとして期待されているからだ。 アプリ内では、写真やビデオ、グラフィック、音楽、アートのキュレーションパッケージが提供され、アートや芸術に触れることで、不安を軽減し、幸福度を高めることが出来るとされている。 

具体的には、ユーザーの心情に合わせた画像や映像、音楽などがアプリから提供され、リラックスを促し、幸福度を高めるドーパミンを出す手助けをする。 世界的アーティストであるジェームス・タレルの作品もアプリ内に登場し、アートを通したヒーリング体験が出来る。

これらが人々へ与える影響をデジタルに結びつけ開発された同アプリは、実際に科学者や医師、学芸員などの協力を得ながら、調査研究に基づいて開発されたという。  芸術やアートを通し幸福度を高める、最新の脳科学アプリとして、今多くの注目を浴び、その効果が期待されている。 

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#light #art #color

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今回紹介したアプリたちに共通して見られることは、見て楽しむだけでなく、実際に体験、参加出来るものであるということだ。 アートを通し、感性を高めるものから、またその作用を利用し、私たちの生活を良い方向へ変える手助けをしてくれるものまで、様々だ。 現代のアートシーンに合わせた最新アプリたちを活用することで、更なる感性を磨き、日常をクリエイティブに変えるきっかけにしてみても良いかもしれない。