イタリア人監督ダリオ・アルジェントの伝説のアートホラー映画リメイク版「サスペリア」が日本にも上陸した。今年1月から全国各地で上映中。

美と狂気がテーマのこの映画の原作、70年代後期のファッション界に多大に影響を与えた伝説の話題作である。今回のリメイク版もかなり気になる所。リメイク版「サスペリア」から見る再構築された美を若者にも分かりやすくご紹介したい。

ダリオ・アルジェントの原作「サスペリア」

今回のリメイク版「サスペリア」は、イタリア人監督のダリオ・アルジェントによって1977年制作された原作を元に新しく構成されている。

「鮮血の幻想」という異名を持つ監督ダリオ・アルジェントは、知る人ぞ知るアートホラー映画界の巨匠中の巨匠である。そのスタイリッシュで見事なまでに倒錯した悪夢を作風に残すスタイルは、カルトフィルム界で伝説となった。

原作「サスペリア」は、ダリオ・アルジェント特有の「血と刃物、そして美しい女性」が登場してくる一見シュールでナンセンスなストーリーが見ごたえのある作品だ。歴代のホラー映画トップ10に確実と言っていいほど並ばれる名作。アルジェント監督らしい、個性的にな色使いとクレイジーな心理的脚色が、観客に異様な悲鳴とスリリングを体感させる。

また、イタリアのプログレッシブロックバンド、ゴブリンが手がけたサウンドトラックが当時かなり話題ともなった。その恐怖や哀愁を伝えるメロディーが、このアートホラー作品に一層の深みを与えている。

リメイク版「サスペリア」

今回のリメイク版「サスペリア」は、2018年、超自然的なサイコホラーとして、シチリア島出身の同じくイタリア人監督ルカ・グァダニーノによってリメイクされた作品だ。現在全国各地で上映中。原作と同じキャッチコピー「決してひとりでは見ないでください。」がそのまま起用されている。

ダリオ・アルジェント原作の大ファンだと言われるグァダニーノ監督。本作は、オリジナル作品とは少し異なる、新たな視点とモダン性を用いて大体にもアレンジされている。昨年の第75回ヴェネツィア国際映画祭にもノミネートされた。美と狂気を描いた新たな名作になることは間違いない。

出演はダコタ・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツ、ティルダ・スウィントンらで、オリジナル版の主演女優であるジェシカ・ハーパーも出演する。豪華で、輝かしいほど美しい女性像がずらりと並ばれているのがこの映画の見どころの一つ。なお、21世紀の魔女とも呼ばれるイギリス人女優のティルダ・スウィントンは、カリスマ振付師マダム・ブランと82歳の男性・心理療法士クレンペラ―博士を含む3役を幅広く演じている。個性的にカリスマ性を醸し出す強烈なキャラクターを演じている。

ティルダ・スウィントン:私は、自分自身を女優として認識したことが実は一度もありません(笑)。監督ルカ・グァダニーノとは、20年以上前から原作「サスペリア」のカバーを作るアイデアを出していました。ダリオ・アルジェントの作品は、とても幻覚的で気違いっぽい。グァダニーノ監督もそうだと思うけど、私自身ダリオ・アルジェントの作品からは多大な影響を受けました。

(Numéroより)

 

「サスペリア」のあらすじ

ドイツ、ベルリンの世界的に有名な舞踏団“マルコス・ダンス・カンパニー”に入団するため、アメリカ、ボストンからやってきた主人公スージー。しかし彼女がこの舞踏団に入団してからというもの、周りのダンサーたちが次々と消息を途絶え消えていくという不思議な出来事が起こり始める。いったいこの舞踏団では何が起こっているのか。主人公スージーはそんな新生活に不安と恐怖、気が狂いそうになる緊張感を次々と覚えていく。そして遂に…….。

衣装担当はセリーヌのデザイナー

今回の「サスペリア」リメイク版は、原作に引き続きアートディレクションにかなりの期待が集まっている。

今回衣装デザインを担当したのは、グァダニーノ監督とタッグを組んでいるジュリア・ピエルサンティ。ファッションブランド、セリーヌのデザイナーとしても活動している。

本作「サスペリア」は、ダンス・カンパニーを舞台にしているということもあり、華やかで印象的な舞台衣装が数多く使われている。日本の著名フォトグラファー荒木経惟のボンデージを参考にしたと言われる、カルト的シーンも登場する。

画家・ヒグチユウコ手掛ける、日本限定ポスター

グッチなどの有名ファッションブランドとのコラボレーションが話題にもなっている、日本人画家・ヒグチユウコ。彼女がイラストを担当した「サスペリア」日本限定ポスターが現在注目されている。

血の気を彷彿させる赤と、ゴシックでダークな世界観の中に映える謎めいた美しい女性像。監督のルカ・グァダニーノからもかなり評価を得ているそうだ。

美しすぎる美と狂気。最新のスリル感と映像技術を使って、再構築されたリメイク版「サスペリア」。あなたはいったい誰とこの映画を観にいくのか。

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