家具や建築、食器、インテリア雑貨など、ここ数十年、北欧デザインは世界的に非常に人気があるようになった。

フィンランドの伝統的なインテリア雑貨や食器を取り扱っていることで有名なブランド「イッタラ」と日本を代表するファッションブランド「イッセイ・ミヤケ」は2017年に夢のコラボレーションも果たした。北欧デザインは日本民芸との共通点もあるから興味深い。今回は、北欧デザインの人気の秘密を特集する。

北欧デザインの魅力

北欧デザインとは、北ヨーロッパ、スカンディナヴィア諸国およびフィンランドにおけるデザインの総称のこと。

北欧とは主に、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの5カ国を指すことが多いようだ。地理的理由で、一年の大半を家の中で暮らすライフスタイルを持つ北欧人。彼らの生活習慣から誕生し必要に応じて進化したインテリアデザインが、現代世界のモダンライフスタイルに上手くフィットする。

戦後、デンマーク系アメリカ人がアメリカ国内でスカンディナビアのハンドクラフト製品(日本で言う民芸)を輸入販売し始めたことがきっかけで人気が広まったそうだ。1950年代から60年代ごろにかけて、北欧から様々なデザイナーも登場してくる。

-「IKEA」で見られるようなシンプルなデザイン性

北欧デザインの魅力は何と言ってもそのシンプルなデザイン性。もともと質素な暮らし方を好む北欧には、機能性を重視したシンプルなデザイン文化が主流だった。スウェーデン発祥のインテリアブランド「IKEA」。世界最大の家具量販店として、日本でも広く人気を誇っている。大量生産しやすく、ライフスタイルの邪魔にならないシンプル性が「IKEA」デザインの特徴だ。使いやすく、生活習慣の必然性を意識した北欧の素朴なライフスタイルが世界的にも好まれている。

-デザインはミニマルで必要最小限に留める

家の中で生活する習慣が特に進化した北欧生活では、無駄の無い、必要最小限の機能性とデザインを意識したインテリアデザインが彼らの生活で必要不可欠だった。そのため、ミニマルなデザインは北欧デザインの最も重要な基本でもある。日本の「わび・さび」文化に共通するコンセプト「質素な暮らしのエレガンス」が北欧の伝統的生活スタイルの中からでも見受けることができる。

-スッキリした配色カラー

デザインをスッキリした配色カラーでまとめる北欧のスタイル。白や薄い灰色、パステルカラー、クリーム色など、北欧の配色カラーに使用される色使いはどれもナチュラル感を意識した、暖かく落ち着いた色の組み合わせが多い。フィンランドの寓話、絵本「ムーミン」でも見られるような、淡く控えめでやさしい色使いが印象的だ。

-自然と共存する意識

北欧デザインでよく見られるデザインの特徴として、自然と共存する意識がある。ナチュラルなイメージのモチーフを使ったデザインだったり、自然の素材を上手く利用した職人の技からは、北欧人たちの自然を愛するライフスタイルの素朴な価値観が伝わってくる。木材で作られた家具や陶器などの自然素材を上手く利用した生活習慣は、日本の民芸品を見てからでも分かる生活の知恵でもある。

-前進したグラフィックデザイン

北欧デザインがモダンライフスタイルに人気がある理由の一つに、シンプルでクセの無い北欧特有の前進したグラフィックデザインにあるとも言える。北欧は、伝統的にも高度な彫刻技術が非常に前進している地方であり、北欧デザインの中には優れたグラフィックデザインが見受けることもできる。幾何学的な直線や曲線で描かれたシンプルなデザインに魅力がある。インテリアデザインのみではなく、プリントデザインからパッケージデザイン、イラスト、フォント書体まで、最小限に縮小したミニマルな表現方法が北欧人の得意分野なようだ。

「イッセイ・ミヤケ」 x 「イッタラ」

フィンランドの伝統的インテリアブランド「イッタラ」は、2017年日本の伝統的アイデアをファッションブランドとして取り入れる「イッセイ・ミヤケ」とコラボレーションを果たした。お互いのものづくりへの共通コンセプトや共通の美意識などがこのコラボレーションでさらに進化したと言えるだろう。

イッセイ・ミヤケの得意とする、オリガミのようなテキスタイルデザインを使用したクッションや鞄、インテリア雑貨が北欧的カラーでアレンジされた。他にも、非日常的な5角形の形をした食器やプレートなど「イッセイ・ミヤケ」と「イッタラ」が共通して持つブランドコンセプト、伝統と非日常がこのコラボレーションで素晴らしく融合した。

北欧デザインと日本民芸

北欧デザインと日本民芸には不思議な共通点がいっぱいある。日本民芸は、今月24日まで六本木21_21 DESIGN SIGHTで開催されていた企画展「民藝 MINGEI -Another Kind of Art 展」などからでも紹介されているように、現在アートシーンで再注目されている。それぞれの生活の必要性に応じて発達した創意工夫。日本の民衆の素朴なデザインセンスは、北欧デザインのシンプルなセンスとどことなく繋がっているようにも感じられる。お互い、風土と風習を生かした、ものづくりとして共通した概念が存在する。

日本のデザイン文化とも共有できる、北欧のシンプルなデザイン文化。日常と非日常の間から生まれる必要最小限のデザイン。北欧デザインの普遍性はモダンライフにまさに適当。北欧デザインから学ぶことは今後もまだまだあるだろう。

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