“ジェンダーレス男子”や”メイク男子”というワードがテレビやネットで話題に上がっているここ最近、実際にCHANELやMARC JACOBES、TOM FORDなどからはメンズコスメも発売された。その流れは国内外問わず広がりつつある。これまで、化粧は女性がするものであり女性のたしなみとしての印象が強かったが、その市場に変化が起きている。

トランスジェンダー向けに開発されたコスメ

http://neutmagazine.com/good-goods-catalogue-22

イギリスからMakeUpHasNoGender(化粧に性別はない)をスローガンに持つJECCA(ジェッカ)というブランドが登場した。いわゆるジェンダーレスのコスメブランドだ。その始まりは、トランスジェンダーの女性向けに何かできないかと考えたことだったという。

これまで、化粧品の多くは女性向けに作られてきた。しかし、トランスジェンダーのように体は男性として成長してしまった女性たちにとっては、抱える肌の悩みも生まれた時から女性の体を持つ人々のそれとは違う。ヒゲ、皮脂、水分量から肌の厚みまで男性と女性の体では異なるといわれているからだ。そのせいでトランスジェンダーの女性は自分が望む自己表現としての化粧をしてはいけないものなのではないかと否定してしまうことも少なくなかったという。誰もがメイクで自己表現ができるよう、このブランドは生まれた。

国内ブランドからもメンズコスメが登場

https://www.fashionsnap.com/article/mens-cosme/

オーガニックや国産原料にこだわったスキンケアやコスメで有名なTHREEを展開するACROから、昨年新たにFIVEISM×THREEというメンズコスメブランドが登場した。その商品展開はファンデーションやコンシーラーからリップなど、男性の日常使いを考え使いやすさを追求したという。ブランドコンセプトには、Individuality=「個性」を掲げ、「既成概念を超越したLimitlessな自己表現、男だからとか、女だからとか、もう若くないからとか誰かの価値観や世の中の風潮に合わせて生きている暇なんてない」との言葉とともに各々の個性は時の流れや自身の成熟とともに常に変化し続けるものとしている。

https://news.infoseek.co.jp/article/newsinsight_2421/

先日青山で行われた当ブランドの新作発表会ではランウェイショーを開催した。そこでは男性のみならず、女性モデルも登場しFIVEISM×THREEが目指す男女の垣根をなくしたショーとなった。性別だけではなく、年齢や国籍などの常識を超越した人間の美しさも表現された。

メイクは自分を”表現”できるもの

https://instagrammernews.com/detail/1802953018937815063

男性でメイクというと想像するのは女装家の方やドラァグクイーンまたは芸能人やモデルなど、表に出る仕事をしている人々が撮影や収録時に行うものなどではないだろうか。それが近年、若者の間で日常的にメイクをする男性が増えている。ここまで男性のメイクが広まり始めている理由とはいったい何なのだろうか。

男性が行うメイク動画や画像などは、ネットで検索すれば容易に見つけられる時代。中でもタレントのりゅうちぇるさんは日本での先駆け的存在のように思う。そんな彼は過去に、自身のInstagram上でメイクをする理由について語った。

初めに言うね!! 今から超語ります。僕がメイクをしたのは、中学2年生の時で、おヒゲを隠すために始めたの。だから、コンプレックスを隠すために僕の場合メイクの力を借りたの!!
そしたら自信がついてきて、そして大人になるにつれて、
自分の好きな系統や、自分のなりたい理想像が、だんだん分かってきて、メイクでこういう風な自分を見せたい!という気持ちになり、
いつからか、メイクをする理由は、「自分を表現するため」という理由に変わっていたの。

と、メイクを始めたきっかけと理由を述べた。そのきっかけは自身のコンプレックスを隠したり自分をより良く見せたいという、女性と何ら変わりのない理由であった。

近年SNSの広がりで、若者世代ではInstagramやYouTubeなどで自分を表現することが容易になっている。そこで自分を”表現”することへのハードルも以前より下がりつつあるのではないだろうか。ヘアスタイルやファッションにこだわること。歌や芸術、スポーツや筋トレで自分を表現すること。メイクをすること。それらは何ら変わらない表現方法の一つにしか過ぎない。むしろそれらの表現方法と同様に、メイクにも性差など必要ないのではないか。男性がメイクするということは実はそんな自然なことなのかもしれない。

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