「SNSでクリエイトすることだけが全てではない」クリエイター宮下朋子(moonkids)が創り出すアナログな世界観の裏側

時代の変化に連れてデジタル化が高速に進むなか、人々が忘れがちなもののルーツを大切にするイラストレーター/グラフィックデザイナーの宮下朋子(moonkids)さん。今回は彼女がアナログにこだわる理由と現在の活動を通して経験したSNSとの関わり方について伺った。 

学業とクリエイター活動の両立

-学生でありながらグラフィックデザイナー・イラストレーターとして活躍されていましたが、現在は具体的にどのような活動をされているのでしょうか?

学校では主にグラフィックデザインについて勉強していました。それプラス個人的にイラストも描いていて、最近ではNEUT MAGAZINE(ニュートマガジン)の特集でイラストを描かせていただきました。

特集はこちら http://neutmagazine.com/feature/sex19/

 

-学業と個人のアート活動を両立していると気持ちに余裕がなくなるのでは?

暇でいることが好きでないので毎日何か予定を入れたり、作品を同時に進行したりするタイプなので、もしかしたら誰かに迷惑かけているかもしれないですね。でもボーっとして何もしないほうが自分には良くないと思っているので、無意識に自分を追い込んでしまうのかもしれないです。

クリエイター活動の経緯と想い

-イラストを描き始めたきっかけは何だったのでしょうか?

高校の頃から絵が好きだったというよりは洋服が好きで「ファッション誌のレイアウトデザインができたらいいな」と思ったことをきっかけに多摩美術大学に入学して、その時のデザイン授業で出会ったのかな。

-朋子さんイラストはポップやファンシーな印象というよりも、リアルで生活感がある温かいタッチのイラストが多いと感じました。

考えたことなかったです。写真家の作品を見るのが結構好きで、写真を印刷して描いたりしています。なので、より現実的なものや生活的のあるものを描いているのかもしれないです。パソコンなどを使って、デジタルを屈指してできる作品も好きだけど、自分はボコボコ感が味わえるアナログ感が好きだから、あえて色鉛筆でわかりやすく描いています。

個人的に細かいところに時間をかけて描き上げた時に感じる達成感が好きなので、人や部屋の空間などをしっかりと描いています。それを感じ取ってくれる人がいてくれたら嬉しいですね。

-作品は主にどのような人から影響を受けているのでしょうか?

グラフィックでは完全に横尾忠則さんで、イラストはデイビット・ホイックニーさんから影響を受けています。以前より風景絵を描くようになったので、彼が描いたプールの絵の作品をすごくよく見ています。

-ユニークなクリエイターが増え続けていますが、朋子さんが大切にしている“自分の強み”を教えてください。

SNSで何かをクリエイトすることだけがメインではないってことかな。1日でも更新しないとフォロワーが減るということに惑わされて「今日も更新しないと」って考えさせられることに疲れてしまって。実際そういうことはあまり意味がないことだと思うし、別で注目してくれる人もいると思うので無理してSNSの更新はしていないです。

ルーツを大切に

もう1つ、クリエイターとして活動されている他に、現在はNYLON JAPAN公式ブロガーとしても活躍されていますよね。ブログでは少し昔の日本の音楽やR&B、ジャズなどについて紹介されていましたが、それはご両親の影響なのでしょうか?

両親は全く関係ないです。もともと3〜4年間くらいレコード屋さんでアルバイトをしていて、それで結構ハマっていました。レコード屋だとCDになっていない古い音楽や最近聴く曲の元ネタがたくさんあって、それをみつけるのが好きでしたね。以前は独学でDJもやっていました。

 

-やはり音楽を聴く時はストリーミングよりもCDなどで聴くことの方が多いのでしょうか?

ストリーミングで聴くこともあるけど「この曲をプロデュースした人は誰だろう」と思ったときにすぐ見ることができないからあまり利用しないのかも。もしそのプロデューサーの曲が好きなら、他の曲も絶対好きなはずで、そうしたらより音楽の幅が広がると思います。でもストリーミングだと出てこないし、何より自分の周りにも音楽作っている友達がいるから「プロデユーサーにお金が入っていないと…」って考えてしまって。自分もクリエイターだから、そういうところをもっと注目して欲しいなって思ってしまいます。

 

-音楽の情報以外にも女性の体について取り上げたブログなどもシェアされていますよね。

そういったテーマを書くことに最初は少し抵抗もあったけど、たまには良いかなと思って書いています。結構読者からの共感の声が多くて、実際に会社で働いている人からは「○○が辛かったです。それについてメディアで取り上げて欲しい」とか「取り上げてくれて助かります」みたいなメッセージもありました。

 

-これからはどのような活動をしていきたいか教えてください。

グラフィックデザイナーとしての仕事とイラストを、もっとうまく両立しながらやっていきたいと思っています。

 

宮下朋子(moonkids)

1995年生まれ。多摩美術大学を卒業後、桑沢デザイン研究所に入学。2019年3月に卒業をした現在は、イラストレーター/グラフィックデザイナーとして活躍。ファッション誌『NYLON JAPAN』公式ブロガーとしても活動し、SNSにおけるお悩み相談や美容・音楽にまつわるトピックを配信している。自身の下の名前に(朋子)、月が2つと子供の子があることからアーティスト名を『moonkids』としている。

https://www.instagram.com/tomoko_moonkids/

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