https://www.lofficielsingapore.com/fashion/gucci-goes-greek-for-its-pf19-campaign

常に話題が耐えない現代グッチの鬼才クリエイティブディレクター、アレサンドロ・ミケーレが提案する新企画。古代ギリシャを舞台にしたグッチが掲げる新しいキャンペーン「timeless」とは。最新のモードをリードするグッチの時代を超えたイメージ戦略をご紹介。

グッチをモダンに変えた男、アレサンドロ・ミケーレ

2002年の入社以来、トム・フォードの後を次ぎ2015年からグッチのクリエイティブディレクターを務めているアレサンドロ・ミケーレ。イタリアの老舗ブランドの売り上げを約50%以上も延ばす事に成功させた鬼才。従来の豪華でセクシーなブランドイメージに、モダンに進化させたヴィンテージ感覚を取り入れたインパクトのある新生グッチを打ち出した張本人でもある。

壮大な彼のクリエイティビティーの根本的コンセプトは「存在しないものの創造」だ。毎回のコレクションをまるで映画の1章のように作り上げるアレサンドロ・ミケーレ。全てのコレクションは映画のようにシリーズとして繋がっているという。

古代ギリシャを舞台にしたnewキャンペーンとは

古代ギリシャの植民地都市であった、イタリア、シチリア島のセリヌスにある考古学自然公園を利用したグッチが掲げる新キャンペーン「timeless」。ヴィンテージアイテムからのインスピレーションなどからでも分かるように、アレサンドロ・ミケーレの創造性は、時間枠などと言った規制のルールにはまらない不思議な堂々とした魅力がある。今回打ち出すキャンペーンは、古代のギリシャ神殿や遺跡を舞台にした大胆なフォトプロジェクトである。グッチの2015-16年秋冬キャンペーンも手がけたイギリスの巨匠Glen Luchford (グレン・ルッチフォード)がフォトグラファーとして今回のキャンペーンにも参加。

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まるでイタリア映画の巨匠フェデリコ・フェリーニの映画の撮影シーンかのように、複数のモデルをアンリアルに映し出した。強烈なモダンイメージを古代文明に照らし合わせ、コントラストの強いストーリー設定がこのキャンペーンの鍵でもある。

古代文化の保護をキーワードに

毎回斬新なユーモアを効かせたコンテンポラリースタイルを見せてくれる、グッチのクリエイティブディレクター、アレサンドロ・ミケーレ。彼の魅力はコレクションのデザイン、スタイリングのアイデア性だけではなくグッチの壮大なブランドコンセプトとフューチャービジョンに特にあるようだ。今回のキャンペーンの裏では、ファッションブランドとしては異例の「古代文化保護」がメッセージとして含まれている。

真のコンテンポラリースタイルを常に追求する、イタリアの老舗ブランド、グッチ。アレサンドロ・ミケーレはまた、上海で行った企画展「No Longer / Not Yet (もはや/いまだ)」を開催した際、イタリアの哲学者、Giorgio Agamben (ジョルジョ・アガンベン) の著書『コンテンポラリーとは何か』から一節を引用し、真のコンテンポラリー性と時代について興味深いクリエイティブ声明を残している。

真にコンテンポラリーな人物、自身の生きる時代に属する人物は、時代に完全に同化することも、時代の要請に順応することもできない。この意味では、コンテンポラリーな人物は非現実的であるといえる。しかし、まさにこの断絶感とアナクロニズムを通じてこそ、この人物は誰よりも、自身の時代を理解し、我がものとすることができる。当然ながら、このような非一致性は、コンテンポラリーな人物が我々とは別の時代を生きていることを意味するわけではない。

アレサンドロ・ミケーレ(上海の企画展「No Longer / Not Yet (もはや/いまだ)」より)

シチリア島のセリヌス考古学自然公園のチーフディレクターEnrico Caruso(エンリコ・カルーゾ)はi-Dの取材で今回のグッチの新キャンペーンのロケーション舞台となったことに対してこう答えている。

ここセリヌスは、古代ギリシャ文明の港町として2つの港が共存して存在していた非常に賑やかな都市だったんだ。多種多様な人種が一緒に住んでいた古代ギリシャのマルチカルチャーが残された遺跡からでも見て取れる。フィニーシアン、エジプト、ゲール語、ラテン語と入り混じった言語を聞くのが一般的だったでしょう。当時の広場や市場では、様々な文化を起源とした多分かなカルチャーが行き来していて、まるで今回のグッチのキャンペーンのような光景は当時の現実にもそのまま反映していることがイメージできる。

セリヌス考古学自然公園のチーフディレクターEnrico Caruso(エンリコ・カルーゾ)(i-Dより)

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時代を越えても変わらない美しさ。古代へタイムスリップさせたグッチの新キャンペーン。あなたも今後グッチの広告などで目にすることがあったら、アレサンドロ・ミケーレの時代を顧みない挑戦と時間を越えたクリエイティビティをぜひとも思い出してほしい。

 

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