https://www.itsnicethat.com/articles/zhang-kechun-photographer-241016

中国の若手実力派フォトグラファーZhang Kechun。彼の近代中国に対しての言葉に表し難い微妙なアイロニーと美しい風景写真がパリやロンドンの写真フェアで現在人気の写真家である。今回は、Zhang Kechunの知っておきたい10の事を特集する。

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1:中国の近代写真シーンの若手実力派

アイ・ウェイウェイなどを筆頭に、コンテンポラリーアート界でも中国ブームの波は後を絶たない。モードや写真、ファッションモデルにかけても今才能ある若手中国人が早々と世界の表舞台に立ち始めている。中国の風景写真を得意とするフォトグラファーZhang Kechunもその中の一人である。

彼の主観を通した素朴かつ意図のあるダイナミックな表現は、ここ最近話題にもなっている中国人アーティストの質の高さが見て取れる。若干まだ39歳という若さで彼の作品の数々は、世界の美術館やプライベートの写真収集家のコレクションになっているほどである。Zhang Kechunの写真が今世界に評価されている理由とは一体何なのだろうか。

2:出身は四川省

Zhang Kechun

1980年12月14日生まれ。出身は中華人民共和国西南部に位置する四川省の巴中市(はちゅうし)。現在は四川省の省都である成都市で活動している写真家だ。

3:現代中国の内なるビジョン

Zhang Kechunの作品はその堂々とした写真の圧倒感で、現代中国の社会問題で最も難問とされている中国工業地区の環境の変化や広大な現代中国の風景を、率直なフィルターで鋭く捉えることで世界に共感性を語りかける。

アジアの典型的な伝統的美意識を現代のコンテンポラリーアートに持ってきたZhang Kechunの美意識に今世界が共感と答えを求めている。

歴史的にも長い間「中国の真実」という個人的に捉えられた題材は、中国内部の表舞台に登場することが非常に制限されて来た。中国でも進んでいるグローバルな流れはその波が収まらない。国外で作品発表を行う中国人アーティストも年々数を増している。過去の制約的な情報源をより世界的な新たなビジョンにして逆輸入する中国の新しい価値観。中国内より国外の方が中国人アーティストにとって自由表現の幅が断然広がることは言うまでもない。

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4:海外のスパイと中国内で批判も

Zhang Kechunがこの若さで世界的にも注目されるようになったきっかけは、ヨーロッパの国際的な芸術祭のビエンナーレや、写真フェアに彼の作品を数々と出品したことに理由がある。彼の作品はいわゆる「価値観の逆輸入」という形で、中国内部でも話題が耐えない。しかし、環境汚染など現代中国の真実と社会問題を率直に捉えるZhang Kechunに対して「国外のスパイだ!」などというまだ保守的な批評も存在するのが現実である。

5:環境問題を詩的に表現

Zhang Kechunの写真家としての最初のプロジェクト「The Yellow River」。5000kmにも渡る広大な黄河を2年間かけて撮影した写真プロジェクトである。

黄河は、中国の長い歴史の中でも非常に重要な役割を果たし続けている大河。中国古来から存在する多くの美術品もこの川を題材にした作品が存在している。中国文明の象徴である大河をZhang Kechunは現代の生のフィルターを通して詩的に表現する。

中国文明を何千年にも渡り支えてきたこの黄河も、現在では残念ながら工業地区の新しい風景に移り変わりつつある。環境汚染に対しても現地での健康問題と外部批評が後を絶たない。Zhang Kechunはこのプロジェクトで、黄河の真実をリアルタイムで率直に伝えようとしている。まるでドキュメンタリー型式のように写真ストーリーが展開され、現代文明を無言かつダイナミックそして皮肉的にも捉える彼の視点が国際的注目を集めている。

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6:現代の土地と人との関係性を追求した作風

「The Yellow River」の後も、現代の土地と人との関係性を追求した彼の写真家としてのリサーチは続いている「Between the Mountains and the Water」という次のプロジェクトでは、古来から決して変わることのない堂々とした自然風景と経済成長と共に発展途上している高層ビル建築の異様なコントラストを、彼らしく圧倒感ある角度で追求している。

7:若くして数々の写真アワードを受賞

Zhang Kechunは、若干まだ39歳という若さで数々の名誉ある写真賞を国際的に受賞している。

-National Geographic Picks Global Contest (2008)

-Sony World Photography Awards, shortlisted (2013)

-Discovery Award at Les Rencontres d’Arles for The Yellow River (2014)

(Wikipediaより)

 

8:国外での作品発表

数々の国際写真アワードを受賞しているZhang Kechunは、中国内はもちろん、スウェーデン、フランス、イギリス、アメリカ、インド、カンボジア等様々な国際的な舞台で作品発表を続けている。

9:美術館や個人美術収集家に国際的な人気が

彼の作品をコレクションにしている美術館には以下のようなものがある。

-Chinese Image and Video Archive

-Canada Williams College Museum of Art

-USA China Central Academy of Fine Arts, China

(Wikipediaより)

 

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10:コピーから学んだ経験

中国といえば質の悪いコピー品などクリエイションに関して日本とは若干異なった感覚と感性があるイメージが過去強かった。Zhang Kechunの作品からは、中国の伝統的美意識で捉えられているような、山頂からのダイナミックな風景やイタリア現代写真の巨匠ルイジ・ギリリの作品で頻繁に見られるような遠近法を上手に使った技術が密かに見て取れる。

Zhang Kechunの説得力ある写真の強さは、伝統的またはクラシックの芸術的な作風をコピーし続けることで自己流に進化させた努力の結果である。

コピーするということは、クリエイターにとっては同時に学ぶことでもある。時代の進化と共に、表現の質が高まり始めている中国文化の新しい顏。古来から存在してきたようにダイナミックな中国の質あるクリエイションを世界の表舞台にまで持ってくることに成功したZhang Kechuの写真家としての力はこれからも価値が高まることに違いない。アジア出身アーティストの将来の巨匠になるであろう若い実力が現代の写真界に堂々と力強いビジョンを見せつけてくれる。