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アジアのアップカミングなファッションブランドを紹介する連載企画「MADE IN ASIA」

第一回の今回ご紹介するのは、韓国発のブランド、「ROCKET X LUNCH」(ロケットランチ)

デザイナーはJinwon Woo氏(下写真)。2010年にローンチされた本ブランドは、20代の女性をメインターゲットにした現代的なカジュアルウェアを展開している。ストリート要素を入れつつ、程よいディティールの変化とカラーバリエーションで、トレンディで面白味のあるデザインが印象的。

デザイナー:Jinwon Woo
https://www.seoulfashionweek.org/designers/view/ROCKET_X_LUNCH

学生時代から様々なコンテストで賞を受賞していたJinwon氏。その中でもDoosan Tower(ソウルの東大門にあるファッションビル)の新鋭デザイナーコンテストで入賞し、資金援助を受けらることになったことがブランド創設のきっかけとなったという。その資金を元手にROCKET X LUNCH1号店をオープンした。

意味のなさ

毎度カジュアルでリアルクローズに近いながらも印象的なコレクションやルックを披露する彼のプロダクト。しかし、デザイン自体に大義を打ち出そうという気は決してないという。

デザインをすることは、ブランド名”ロケットランチ”のように、意味のない単語を組み合わせることと同じだと考えています。バラバラの要素や欠片を、新鮮でユーモラスに繋ぎあわせることの繰り返しであり、そこに大げさな世界観や価値を見出そうとは思っていません。

—「6LYUVY JAPAN」インタビューより—

エシカルや宗教観、哲学などブランドはそれぞれデザインやブランドの取り組み自体に意味を持たせる。そうすることによってそれを着るユーザーはそのブランドの価値観を持った人として世間からみなされ、ユーザーもそれを望む。そんな中〈ROCKET X LUNCH〉はどうか。「ロケット」と「ランチ」という単語の組み合わせにやはり全く意味がないという。大きな意味を持たず、ユーモアさを第一に服作りに挑んでいるからこそ、誰もが着たいと思うような広く受け入れられる基盤を築いているのだ。

「波の中で、自分だけの物語を作ろうと努力しています」

2019年9月、ファッション業界に激震が走った。VETEMENTSの共同設立者にしてBALENCIAGAのデザイナーであるDemna Gvasalia(デムナヴァザリア)がVETEMENTSを去るというニュースだ。「ラグジュアリーストリート」と呼ばれるジャンルが2010年代ファッション業界最大のトレンドとなった。ハイブランドもこぞって敢えてダーティーなスニーカーやフーディーを大々的にリリースするなど、その勢いは大きな渦となってファッション業界を席巻した。そんな「ラグジュアリーストリート」分野を先頭で牽引した一人であるDemnaの自身のブランドからの引退。これは一種「ラグジュアリーストリート」ブームの終焉を意味する。ブランド方針を徐々に変えていくこともできたはずであるが、きっぱりと引退するということはファッション業界にその旨をはっきり示したこととなった。

そんな中Jinwon氏は柔軟な発想を持ってファッション業界の潮流と付き合っていこうとしていることが、以下の発言から見て取れる。

流行は大波のようなものです。時代の波を読まずに、良い服だけを作ることはできません。その波の中で、自分だけの物語を作ろうと努力しています。

—「6LYUVY JAPAN」インタビューより—

彼はあくまで流行の波は無視できないとしている。自分のストーリーを服やコレクションに込めようと、作品的な発想を求めたくもなるが、どうしてもビジネスとの付き合いが生まれてしまう。そんな中で、彼は時代の波のど真ん中を行くようなことはしない。自ら波を起こしたりもしない。ただ業界で生まれた大きな波を沿うように、プロダクトを生み出すのだ。細々とやっているようにも見受けられるが、その中に自分の語りたいことを込めていくという。これが〈ROCKET X LUNCH〉最大の魅力だ。売れるものを見極めた上で自分たちなりのアイデンティティを込める。この精神を続けてきたからこそ、浮き沈みの激しいファッション業界で今なお存続しているのだ。

これまでの印象深いコレクション

以下に印象的なコレクションやルックをまとめたので、ブランドの歴史とともに振り返ってみよう。

2016Fall/Winter Runway

“NIRVANA/涅槃”と題された16年秋冬のソウルファッションウィークで披露されたコレクション。オーバーサイズなアイテムや長く結われたドローコードが、いい具合に仏教的な世界を描いており、不思議な魅力を放っている。

2017Fall/Winter Runway

17年秋冬のコレクションテーマは”DISORDER”。「無秩序」を意味するテーマタイトルからはラグジュアリーストリート全盛だった頃の流行を反映しつつ、品も残るといったまさに彼の服作りへの意識を体現したコレクションと見える。

2019Fall/Winter「TIME TRAVELER」

これまでにも印象深いコレクションをソウルファッションウィーク等で披露してきたが、2019年秋冬は「TIME TRAVELER」と題したルックを公開。

https://www.sixty-percent.com/collections/rocket-x-lunch/products/r-houndstooth-check-jacket-1
https://www.sixty-percent.com/products/r-corduroy-two-way-hat-1
https://www.sixty-percent.com/collections/rocket-x-lunch/products/r-line-logo-t-shirt-1

カジュアルで着やすいアイテムである上に、切りっぱなしのディティールやリバーシブルといった活用性。目立たないながらも他人と差別化を図る上で、もってこいのアイテムが並ぶ同ブランドを是非チェックして欲しい。

アジアのストリートブランドを集約した世界初のオンラインセレクトストア「SIXTY PERCENT」にて多数取り扱い中だ。

ロケットランチ公式サイト