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兵庫・姫路のHIPHOPクルー”MaisonDe”の一員であるラッパー、Shurkn Papが自身初のフィジカル作品となる1stアルバム『The Me』を10月2日にリリースした。

自分にとってのクラシック

今作のオープニングを飾る「NEW CLASSIC」のビートを聴いて、ピンと来た人も少なくないのではないか。遡ること10年前の2009年、トロント出身のラッパー・Drake(ドレイク)がシーンへと一躍躍り出たミックステープ『So Far Gone』のリード曲「Best I Ever Had」のサンプリングであると思われる。

Drakeは「Best I Ever Had」においてガールフレンドに対しての愛についてひたすら言葉を並べる。そしてアウトロでLil Wayneが主宰するYoung Moneyに対してのラブコールを持って曲が終了する。その後見事Young Moneyと契約を結び(紆余曲折はありながらも)、偉大なキャリアを築いていくのだ。

Shurkn Pap/「NEW CLASSIC」でも似たようなアティチュードを感じられる。

もう1人の夢じゃね

このままじゃ死んでも死にきれやしない

彼にとっての家族、仲間もしくはファンに対してLove & Peaceを持ってアーティスト活動に徹し、彼の存在を必要とする者たちにとっての希望であろうという向上心の表れだ。

『The ME』の1曲目「NEW CLASSIC」は、自分が今まで音楽を通して受けて来た衝撃、仲間や普段関わってくださ皆さんに対する感謝とリスペクトを込めたもので。感謝はもちろん、僕自体も誰かのクラシックになれたらいいなって思って作ったので、聴いてほしいです。

『F-MAGAZINE』【21Questions】「誰かのクラシックになりたい」Shurkn Papに聞いた21の質問。より—

Drakeへの直接的なリスペクトがわかる発言は見受けられないが、恐らく彼にとっての”クラシック”な作品の一つにDrake/『So Far Gone』が数えられる。そんな彼のHIPHOPそのものに対してのリスペクトも感じられる作品が『The Me』なのだ。

DrakeとShurkn Pap

Shurkn PapをDrakeになぞらえて考えたい要素がもう一つ。地方出身であるということだ。Drakeで言う地方出身とは、HIPHOPの本場アメリカに対してのカナダ・トロント出身という意味である。Shurkn Papも東京に対して兵庫県・姫路出身という点で共通している。しかし、彼は何らそのことに対して負い目を感じていないという。

世間一般から見たら僕らただの田舎者なので、そこをコンプレックスにとらえる地方の人もいると思うんです。その反面、ストリートでも地方ならではの温かい雰囲気だったり、仲間意識が強かったりするのかな。僕もそれを押し出すじゃないけど、地元にいる人たちでも夢を見れるっていうのを伝えられたらいいなと思って活動しています。

『F-MAGAZINE』【21Questions】「誰かのクラシックになりたい」Shurkn Papに聞いた21の質問。より—

Drakeはトロントラプターズの熱狂的ファンとして広く知られている。愛が強すぎるがゆえに、過激なワードをスタンドから発することで、度々退場を食らっている。しかしチームのグローバル・アンバサダーとして席を置くなど自他共に認めるファンの一人であり、何より広告塔としての彼の貢献度は計り知れない。Drakeほどの熱量を注いでいるとは到底思えないが、DrakeにとってのラプターズはShurkn Papにとっての阪神タイガースなのかもしれない。印象に残ったステージは?という質問に対して彼はこう答えている。

 去年の姫路でのMaisondeのリリースパーティーですね。その時がすごくて(笑)。お客さんも久しぶりのリリースでみんなで祝ってくれて。阪神の応援風船みたいに、みんなが縦横無尽に飛びまくっていましたね(笑)。僕らもテンションめちゃくちゃ上がりました。

—『F-MAGAZINE』【21Questions】「誰かのクラシックになりたい」Shurkn Papに聞いた21の質問。より—

地元スポーツチームを応援することはあくまでわかりやすい地元への還元の例であるが、どこまで成功しても、生まれ育った地元に足を着ける姿勢は見習うべきものだ。今後Shurkn Papはどれほど成功したとしても、上記の発言に見て取れるように決して地元を裏切るようなことはしないだろう。

花火が打ち上がる日

Young Moneyと契約を結んだDrakeはその後、メジャー1stアルバムとして『Thank Me Later』をリリースする。各方面で絶賛された本作の一曲目は「Fire Works(feat. Alicia Keys)」。HIPHOPの可能性を大きく広げた作品として世界的に認知されている。今作『The Me』をもって、導火線への着火は済まされた。Shurkn PapはDrakeにならって大きな花火を打ち上げられるだろうか。今後の彼の動きに目が離せない。