エディ・スリマン、カメラマンへ転身か?

昨年、多くのファンから惜しまれながらもSAINT LAURENTのクリエイティヴディレクターから退いたHedi Slimane(エディ・スリマン)。

彼は現在、一体何をしているのだろう。その動向を、The New York Timesが捉えた。

SAINT LAURENT退任後のエディ・スリマン

出典:https://www.nytimes.com/2017/01/11/fashion/hedi-slimane-photography-v-magazine.html?_r=0

エディの退任は、突然のものだった。特に事の成り行きや説明があったわけでもない。

だが、彼が退任後にSAINT LAURENTの親会社であるケリングを告訴したことは話題となった。

その時、もめていた問題とは、エディとケリング間にあった「競合避止義務」に関するものだった。

競合である他社への転職、および競合行為を禁じるという内容のものであり、結果としてケリング側がエディに賠償金13億円を支払う事となって騒動の幕は閉じた。

フォトグラファー、エディ・スリマンの写真がV Magazineで掲載

その後のエディは、どうやらフォトグラファーの活動を行っていたようなのだ。

しかし、これは決して彼にとっての新しい試みという事ではない。

何故なら、彼はデザイナーとしてファッション業界に向き合う一方で常に写真撮影を並行して行っていたからなのである。

その写真活動は、彼の本職にパラレルとして存在し、良い影響を与えていたことだろう。

今回、エディ・スリマンがV Magazineへ撮りおろしたポートレート連載のファーストシーズン「New York Diary」がお披露目された。

この「New York Diary」は、ほとんどがブルックリンで撮影されたものである。

SAINT LAURENTを去ってから、フルタイムフォトグラファーとして活動を行っている件について、エディはThe New York Timesに対してこう答えている。

僕は11歳の時からモノクロ写真を撮っていたんだ。だから写真を撮るという事は、自分の中で自然な行為として、ずっと僕の人生の、そして人格の一部分としてあり続けている。自分の描くキャラクターや、写真のアーカイブに深く関わっているよ。

僕は同じようにファッションが好きだけど、写真とそれはプロセスが違う。ファッションはもっと分析的で、記号性や個性、ファッション(デザイン)の標準よりも個性的なスタイルのセンスによって描かれるものだと思うんだ。

僕は15歳の頃から多くのクラブやコンサート等に繰り出していたから、恐らく“夜の生活”が自分のファッションを定義したんだろうね。

また、今回彼が撮影した「New York Diary」にはJames Chance(ジェームズ・チャンス)やEileen Myles(アイリーン・マイルズ)、Kembra Pfahler(ケンブラ・ファラー)など、数多くの著名アーティストを迎えている。彼らとの関係性について、次のようにエディは語った。

僕が最初にNYに来たのは1980年のことだ。マンハッタンは、どこよりもアートの活気があって、悪びれることなく過激な街だった。

自由やキラキラしていて派手なNYのストリートやクラブ、そしてそのユニークさ等、僕はそれらの精神が凄く気に入ったんだ。

出典:https://www.nytimes.com/2017/01/11/fashion/hedi-slimane-photography-v-magazine.html?_r=0

James Chanceの名前が出たけど、彼はとても才能に溢れたアーティストだ。
彼の仕事には一貫性と誠実さがあって、僕にとって凄く仕事をしやすい相手なんだ。

これはソーシャルメディアカルチャーとはかけ離れたこと。彼や、僕が撮った他のアーティストは、一般的な知名度は凄くあるわけじゃないかもしれない。けれど、心底NYのセンスというものを具体化している人たちなんだ。

今後のエディ・スリマンはどのような活動を?

今回のV Magazineのシリーズは、今後行う大きなクリエイティヴプロジェクトの一部に過ぎないとThe New York Timesに話すエディ・スリマン。

新世代のミュージシャンやライター、コメディアンやアーティストにフォーカスした企画となるかもしれない。

なによりエディファンにとって気になるのは、今後エディ・スリマンという男がデザイナーとしてでなく、フォトグラファーとしてやっていくか、どうかという所だろう。

この点について、彼は同誌にこう話している。

先ほども言ったように、写真を撮る事は常にそこにあり続けるようなものなんだ。

だけど、決してデザインを辞めようと思ったことなんてないよ、一度もない。

今はデザインをしていた時と比べると、そこまでファッション業界を追っているわけではないんだ。

けど、それというのは今メインでファッションエディトリアルに暫く携わっていないからだと思う。今は以前と違う側から興味深い視点をもって、観察しているところだよ。

デザイナーとしての復帰も心待ちだが、今は彼の新しいフォトグラフィープロジェクトを楽しんでも良いのではないだろうか。

エディ・スリマンの事だ、結局素晴らしいクリエイティヴが生み出されるのだ。

source:https://www.nytimes.com/2017/01/11/fashion/hedi-slimane-photography-v-magazine.html?_r=0