2月11日ニューヨーク・ファッションウィーク4日目は、Lacoste(ラコステ)の宇宙への旅に始まり、Tibi(ティビ)の現代女性のための都会的ワークスタイル、Alexander Wang(アレキサンダー・ワン)のブラックに包まれたパーティガールといった、毛色の全く異なる多彩なショーが豊富であった。

コレクションの世界観を色濃く映し、ブランド独自の色が顕著に表れていた。

世界情勢や業界の変化は激しいが、その中でも真摯にクリエーションと向き合い成長を続けるブランドが存在することを意味し、どこか安堵した。

 

 Lacosteは今季もメンズ・ウィメンズを同時に発表。

会場を月面のように見立て、宇宙への旅へと招いた。クリエイティブ・ディレクターFelipe Oliveira Baptista(フェリペ・オリヴェイラ・バティスタ)はかつて父がパイロッテであったと語り、幼少期に見た父の姿の思い出を探求したという。

また、モスクワにある宇宙飛行士記念博物館へ訪れた時のインスピレーションをコレクションへと落とし込んだ。

レザーやナイロン素材をベースに、異素材やカラーを組み立ててグラフィカルなアイテムが多く見られた。

スポーツウェアから始まったブランドだけに、高い機能性の部分は今季も健在。トレンチコートはウエスト部分を分解し、上部はジャケットとして、下部はスカートへて変形する。

ジャンプスーツ、マウンテンパーカ、カーゴパンツといったスポーティ要素の強いアイテムが大半を占め、月へと目指すLacosteの旅は順調に進んだ。

チャック柄のランバージャケットやモヘア素材のカーディガン、ローブコートといった異なる系統のアイテムはまるで旅の途中で寄り道を楽しむかのように、遊び心に満ちていた。

また、創設85周年を迎える18SSコレクションは、ブランドが創業されたパリで発表すると告知された。

 

Tibiのファーストルックを飾ったのはフォーマルなストライプスーツのセットアップ。ややパワーショルダー気味のジャケットに、裾が長めのタイトなパンツ。

体が泳ぐほどのオーバーサイズのシャツや肩が角ばったオーバーサイズのブレザーなどマスキュリンな中にも、ミニスカートやスリットの肌見せでフェミニンさを強調した。

ラメ入りの糸で編まれた鮮やかなグリーンのドレスや、スカイブルーのタートルネックのトップス、ショッキングピンクのベルヴェットのパンプスなどカラーや素材で生き生きとした爽快さが目立つ。

ニューヨークの大都会で働く女性からインスパイアされたモダンなコレクションの中には、リアルに今すぐ着られるアイテムばかりだ。

ショー終盤に登場した大胆なカッティングのロングドレスも、退勤後のアフターファイブを楽しむためのウィンタードレスとして提案された。

社会での女性の活躍が進み、ますますTibiは支持されるのではないだろうか。

忙しく働きながらも凛とした美しさを保っていたいと願う多くのキャリアウーマンたちの気持ちを、見事に汲み取り具現化することができるのだから。

Balenciaga(バレンシアガ)のクリエイティブ・ディレクターを退任してから、ますます力をつけているAlexander Wang。

彼のデザインだけでなく人柄、人間性、キャラクターは業界でも有名で、交友関係も広い。

それだけに毎シーズンAlexander Wangのアフターパーティは一番の盛り上がりを見せ、ニューヨーク・ファッションウィークの楽しみの一つでもある。

今季は彼のパーティの参加者や友人らからインスパイアされ、Party Girlがコレクションのキーとなる。

しかし、相反するように、Tシャツやパンツには『No After Party』の文字が。

ほぼ全てのルックはブラックで統一されたが、異素材や大胆な露出でメリハリをつけた。

ファーストルックに登場したのはテイラリングされたスーツルック。

次のルックでは2枚のジャケットを張り合わせたような変形型へ。

スリーブは長く裾の短いブラックデニムジャケットや大胆なスリットの入ったスカート、ベルスリーブのタイトなトップスなどアイテムの形成もスタイリングも綿密で、高いクリエーションが際立った。

パンクロックのスピリットを感じる反逆的なコレクションだが、決して品性を損なうことはない。

色に頼ることなくブラックで勝負したが、フィナーレを迎えるまで決して飽きさせることなく、1ルックずつの構成を解釈するのに夢中にさせてくれるほど、複雑で魅力的なAlexander Wangの世界観に飲み込まれた。

もちろん、今季も開催されたアフターパーティは大いに盛り上がり、業界人やセレブリティが彼の新コレクションを讃えた。