洋服や靴を選ぶ基準は何ですか?

「デザインが好きだから」「流行っているから」「機能的だから」「安かったから」と大抵の人がそう答えるだろう。

生地や装飾などの素材がどのようにつくられ、どのような過程でつくられているかを考えたことはあるだろうか?

生産過程や原材料を気にする消費者が多くなり、ベジタリアンやヴィーガンブームを巻き起こす食文化に対し、衣服がどのようにつくられたかということに気を配る消費者はまだまだ少ない。

実際、日常で頻繁に目にするナイロン、ポリエステル、アクリルなどの生地は、石油、石炭、ガス、石炭石を原料としており、それが環境汚染の大きな理由でもあることを論理的には理解していても自覚している人は少ないだろう。

そんな世界が抱える問題を重視し、有害物質や動物性原料を一切使用しないヴィーガンシューズを提案するパリ拠点のシューズブランド 『ROMBAUT (ロンボー)』 。

1月末に行われた2017年秋冬パリメンズファッションウィーク中に、新しいスタイルのプレゼンテーションを行い注目を浴びた。

ベルギー出身のデザイナーMatt Rombaut (マット・ロンボー) は、LANVIN (ランバン) や DAMIR DOMA (ダミール・ドマ) でメンズウェアアクセサリー部門の企画/生産で経験を積み、現在はパリを拠点に自身のブランドROMBAUTを展開している。

rombaut

2013年以来、バンタム級世界ボクシングチャンピョンで知られるTom Duquesnoy  (トム・ドゥケノワ) と、ハイレベルのキックボクサーとして知られ、

モデルとしてMarc Jacobs (マーク・ジェイコブ)、Rick Owens (リック・オーエンス) にも起用されたStaiv Gentis (ステイブ・ジョンティ) が、ROMBAUTのシューズを着用しながら実際に試合をするという、今までにないプレゼンテーション。

DJブースセットと共に行われた試合は、リズミカルなサウンドと間近で見る動きの素早さから伝わってくる緊張感は、美意識とヒューマニストの価値を提案するROMBAUTらしい空間だった。

スポーツ使用にもなる優れた機能性も用いるAW17コレクションは、エクスペリメンタルなシルエットにコンセプチュアルなデザイン性あるラインナップ。

それに加え、“WORRIER to WARRIOR”のデザインTとキャップも展開している。

“WORRIER to WARRIOR” -心配性から闘士へ-

こうタイトル付けられたこのプレゼンテーションの背景にはデザイナーのマットの想いが込められている。

「これは幸せのための戦いなんだ。人間らしく、環境への責任を持ち、より平等で常に進歩していく未来を築きたい。」

それはマットがブランドRombautを展開する理由であり、コンセプトでもある。

来場ゲスト、ソーシャルメディア、スポンサーからの募金受付が行われ、集められた支援金はKaram Foundation (カラム団体)を通し、シリア北部の都市アレッポでの水、食糧、メディカル、また子どもたちの学校プログラムの支援として全額寄付される。

15ユーロ以上の募金をしてくれた人の中から、抽選で10人にRombautから以下写真の3デザインのシューズが送られる。

カラム団体を通じ、以下リンクより募金ができます。↓
https://give.karamfoundation.org/fundraiser/875873

では、Rombautのヴィーガンシューズはどのようにつくられているのだろうか?

シューズの表面には、イチジクやタパと呼ばれる桑の樹皮を使用。中敷きにはココナッツの繊維と天然ゴムを混合させた素材を用い、ソールにも天然ゴムが使用されている。

更にラテックスと呼ばれる自然から接種可能な乳状の樹液でコーティングをすることで、撥水性を保つ自然な質感を出している。

環境問題が重視される中、サステナビリティ(= 環境への負担の少ない健全な経済の発展を図りながら、持続的に発展することができる社会) の主張をしながらもデザイン性とのバランスを取り、また機能性もあるシューズの実現。

有害物質や動物由来物質を一切使用せず、一つ一つのプロセスを大切にしてつくられるもの。これこそ大きな価値があると言えるだろう。

現代に本当に必要なものは何なのか。

衣服を通して改善できることはあるのだということを、改めて考えさせられた。

植物ベースの材料開発に時間を掛け、これからも実験をし続けたいと話すマット。

きっと新マテリアルを創り出すことは想像以上に大変なプロセスなのだろう。

これからも、進化し続けるヒューマニストとして、彼の活躍に期待したい。