ウクライナ・ファッション・ウィークが9月10日に閉幕した。

筆者を含め、各国からのインターナショナルゲストを多く迎え入れた今期、多くのブランドが次なるVetements(ヴェトモン)を目指してショーを開催。

若手ブランドが多いためか、活気に満ちた力強いメッセージ、ショー演出が印象に残った。

2015年のLVMHファイナリスト、Anna October(アナ・オクトーバー)はプレゼンテーション形式でコレクションを発表。

レッド、イエロー、ブルーと明るいカラーブロックをシフォンやコットン素材の優しい生地に乗せて、春の風を呼び込んだ。

ラッフルやオフショルダーなど、シグネチャーであるフェミニンなディテールはそのままに、今季は網タイツやブーツなど力強くセクシーなスパイスも加わった。

LVMHのファイナリストとして知名度と卸先は一気に広げたが、そのまま成長を続けられるはこの数シーズンが鍵となる。

大人も着られるフェミニンとして、ウクライナで人気なのが2014年に立ち上げられたFlow The Label(フロー・ザ・レーベル)。

デザイナーは姉妹であるヴィクトリアとヴェロニカ。

東欧を中心にアメリカ、イギリス、日本での取り扱いがある。

ギリシャのビーチにインスパイされたという今季は、淡いブルーとホワイトの爽やかなカラーコンビネーション。

ラッフルスリーブ、オフショルダー、コルセットベルトなど体の曲線を生かすシルエットが多彩。

毎シーズン定番となっていたデニムは封印し、コットンや麻素材のみでルックを構成し、肩の力が抜けたような軽快さが魅力的だった。

過去にはサーカス会場やボクシングのリング上をショー会場に設定してきたストリート・ラグジュアリーのJean Gritsfeldt(ジーン・グリッツフェルト)は、今季は空港をランウェイに見立てた。

”多様性”をテーマに、ストリートキャスティングで選んだ一般人がモデルとして闊歩する。

コレクションに一貫性はなく、イヴニングドレスからカジュアルなGジャンまでジャンルをも超越する。

キリスト教オーセンティック信者が教会へ行く際に、頭にスカーフを纏う姿や、スパンコールでアメリカの国旗を描いたアウター、イスラム教の女性が身につけるブルカやヒジャブのようなルックも登場した。

子供を抱っこした男性二人組みや、女性同士手を繋いだり、年齢層も幅広い。

数年前まで同性愛を法で取り締まっていたほど、寛容ではない社会ではあるが、昨年は初めてLGBTパレードも開催された。

ファッションで”自由”や”多様性”を表現するのは歴史が繰り返してきた常当手段ではあるが、正しい方程式であることも知っている。

メッセージ性の強いショーとはなったが、「どこかで見たことのあるやり方」とジャーナリストが口々に発するということは、オリジナル性には欠けるという結果だろう。

2014年からウクライナ・ファッション・ウィークに参加しているFrolov(フロロフ)は、ナイトクラブのショーのような演出でコレクションを披露した。

ファーストルックはスケスケのポンチョの下に水着を着用し、足元はウエスタンブーツ。

続くルックはレースのアップリケを飾ったデニム上下に、同じく水着を纏っていた。

ジャケットにサイハイブーツ、ネグリジェのようなイヴニングドレス、レオパード柄のコートとお色気たっぷりのルックが続く。

終盤はゴールドスパンコールを全面にあしらったドレスや、ベリーダンスの衣装のような長いタッセルが付けられたスカートなどが登場。

パワフルでエンターテイメント性に富んだショーは、拍手喝采で幕を閉じた。

 

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