ロンドンの華やかなファッション業界で影響力をもつ重要人物のヒエラルキーは刻一刻と変わりつつある。ロンドンの最新ファッションシーンを揺るがすキーパーソンを職業と重要理由と共に後編ではクリエイティブ部門、インフルエンサー部門を紹介する。

※前編では、エディター部門、デザイナー部門をご紹介!

クリエイティブ部門

Harley Weir(ハーレー・ウィアー)

職業:写真家。わずか28歳でCalvin Klein(カルバン・クライン)からBalenciaga(バレンシアガ) まで多くのブランドと定期的に仕事をしている。Stella McCartney(ステラ・マッカートニー)の最新のキャンペーン写真をスコットランドの田舎町で撮影したばかりだ。彼女の写真はしばしばAnOther(アナザー・マガジン)、i-D(アイディー)、Dazed(デイズド)、Pop(ポップ)、 The Gentlewoman (ザ・ジェントル・ウーマン)、 British Vogue(ブリティッシュ・ヴォーグ)の誌面を優雅に飾る。

重要理由:Weirは7歳の頃に豚の生産農場を訪れた際初めてカメラを手にしたことから、ファッション写真だけを限定して撮るのを拒否している。彼女はthe Calais JungleImage(カレー・ジャングル)と呼ばれるフランスの移民・難民キャンプが除かれる様子を写真に収め、“Homes”という名で昨年出版した。また、昨年12月には、イスラエルやインド、ヨルダンといった境界をめぐって衝突し合う紛争地域の生活を記録した”Boundaries”展をアムステルダムの写真美術館the Foam(フォーム)で開催。彼女の能力は、大手ブランドのファッション写真と社会的な論点の両方をうまく取り扱い、ただ流行っているだけで中身のない従来の良識を変化させる手がかりとなるだろう。

Daniel Sallstrom(ダニエル・サルストロム)

職業:メイクアップアーティスト兼時々ドラッグ・クイーン。SallstromはFKA Twigs(エフケーエーツイッグス)、Emma Watson(エマ・ワトソン)、Iggy Azalea(イギーアゼリア)等セレブリティのメイクを担当することで賞賛を獲得している。彼の審美眼は色彩と異常性に毅然と根差し、キラキラと華やかでしばしば性別の境目が曖昧である。

重要理由:ドラッグクイーンとハイファッションはいつもお互いのアーカイブを貸し借りしあう関係だが、ドラッグクイーンは通常ニッチなものとして見なされている。しかしSallstrom はそのサイクルを壊し、メジャーな存在となってWonderland (ワンダーランド)、Elle(エル)にいたる出版業界からNike(ナイキ) や Adidas(アディダス)の大手ブランドと共に仕事をしている。

Theo Adams(テオ・アダムス)

職業:パフォーマンス・アーティスト。かつてクラブキッズ界隈のスターだったAdamsは現在27歳になり、the Theo Adams Company(テオ・アダムス・カンパニー)を創設。きらびやかなダンサー、俳優、歌手による相互的なパフォーマンスと感覚にうったえる壮大な見せ物一座を主催し、東京で行われたLouis Vuitton(ルイ・ヴィトン)のウェアハウスパーティーやFKA TwigsとVeuve Cliquot(ヴーヴェ・クリコ)によるロンドンでのパーティといった多くのイベントを手がける。

重要理由:近年、ラグジュアリーは商品そのものから経験へとますます比重をおいている。企業はこういった新たな方法で人々の生活にストーリーを提供する事業へと参入している。一例として、the Fiorucci (フィオルッチ)の盛大なパーティがロンドンのSOHO(ソーホー)で金曜日に予定する。ロンドンファッションウィークで最も大きなパーティの一つとしてプロモーションされ、”ホラーと快楽主義によるディスコの全て”を約束している。

インフルエンサー部門

Adwoa Aboah.(アジョア・アボワー)

職業:モデル、活動家。25歳のAboahはベルサーチやGAPの顔として知られている。また、女性のメンタルヘルスと中毒者のためのプラットフォーム、Gurls Talk(ガールズ・トーク)を創設。彼女はAmerican Vogue(アメリカンヴォーグ)3月号の表紙を飾り、2018年度版のPirelli(ピレリ)カレンダーにも登場している。

重要理由:自らの躁鬱病についてオープンに語る混血のスーパーモデル、Aboahは多くの人々から愛されている。彼女は自身が経験した2年前のアルコールとドラッグ中毒による自殺未遂について包み隠さず論じる。既存のモデル達のようにただ美しいだけではない彼女は、カメラの外の生活がいかに重要であるかと同様、自らの経験について語ることでメディアの伝えるメインストリームの美に対する感覚を変えている。

Christopher Simmonds(クリストファー・サイモンズ)

職業:Gucci(グッチ)のアート、クリエイティブ・ディレクター、Print magazine(プリント・マガジン)創設者。

重要理由:彼は近年、大規模でかなり多くのワクワクする成功したファッション広告とソーシャルキャンペーンを巻き込んでいる。多くのファッションブランドが、現代的な特色とユニークで魅力的なクオリティを自社に加えるためにSimmondsと彼のクリエイティブスタジオと仕事をしたがっている。このDazed and Confused(デイズド・アンド・コンフューズド)前クリエイティブディレクターは、助手としてAlessandro Michele (アレクサンドロ・ミケーレ)率いるGucci(グッチ)のリブランディングを手がけている。また、昨年秋にはSimmondsとスタイリストのFran Burns(フラン・バーンズ)は半年ごとに創刊される、デジタルを駆使する時代において有形メディアのパワーと喜びを讃歌した雑誌、Print magazine を出版。次に彼が次に巻き起こす影響は、クライアント達が意図する洋服ラックと収支決算を遥かに超えるものとなるだろう。

Camille Charrière(カミーユ・シャリエール)

職業:ストリートスタイルスター、コンサルタント、ポッドキャストプレゼンター

重要理由:彼女の名前について知らなくても、恐らくこのイギリスとフランスのハーフのブロンド女性を、高級EコマースのMatchesfashion.com (マッチズファッションドットコム)、かつて彼女がライターとして働いていたNet-a-Porter(ネットアポーター)のトレンドガイドや、数多くのストリートスタイルブログ、雑誌のベスト着こなしリストで目にしたことがあるはずだ。インスタグラムで58万3000人のフォロワー数を得る30歳の彼女は、ファッション業界で最も人気のソーシャルメディアインフルエンサーだ。多くのファンが彼女のコーディネートをフックし、関連のないキャプションをつけている。このフォロワー達との自然な関係のおかげで、デジタルインフルエンサーはかつてないほどのさらなる影響力をファッションブランドと従来のメディアに与えている。特にCharrièreはある有料コンテンツとパートナーシップを暴露している。このようにファッション業界のデジタル分野が成長するにつれて、彼女のような先駆者の利益はますますパワフルに増大する。

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