ランウェイの裏舞台。メイクアップアーティストたちの戦い

ロンドンファッションウィークの裏舞台で見られるメイクアップアーティストたちの姿

トルコ人デザイナーBora Aksu(ボラ・アクス)のショーまで時間の余裕がないが、モデルたちの顔はまだ仕上がっていない。

「皆大急ぎでお願い!」

メイクアップアーティストのチーフであるJaneen Witherspoon(ジャニーン・ウィザスプーン)が呼びかけた。

この現場の常連である彼女は厳しく命令的ではあるが、苛立ちやストレスを感じている様子はない。

同じく裏舞台で活躍しこのショーに魔法をかけるアイルランド系カナダ人スタッフは彼女の仕事をよく理解しているのでこの状況には慣れたものである。

美容師、ジュニアメイクアップアーティスト、カメラマン、プロデューサー、衣装、スタイリスト、技術やその他のスタッフである裏舞台メンバーは現場を走り回る。

メイク台にはライト付きの大きな鏡が置かれ、そこには既に着替えが完了しているモデル、まだ着替え途中のモデル、ただじっと座っているモデルなど、彼らはこの嵐のような状況の中でも至って冷静である。

出典 https://www.mexperience.com/mexico-clock-time-changes-in-2016/

時間は待ってはくれない。

一時間もしないうちにショーは始まるのだ。

「私たちは常に時間との戦いなの」

ジャニーンはそう言いながら若手モデルのメイクを機敏にこなす。

「メイクアップの仕事ではやらなければならないことがたくさんあるの。別のショーを終えてきたモデルたちのメイクを落としてまた新たなメイクをしなければならないことだってあるのよ。」

ステージでカメラマンが待ち構える中、ジャニーンは10名からなるメイクアップアーティストを率いて間もなくスポットライトを浴びる20名の若手モデルたちにメイクを施す。

今回のコレクションではアメリカの無声映画でその美しさから名声を得たMaude Fealy(モード・ファーリー)からインスパイア―されたメイクアップスタイルを用いた。

モデルのメイクにはそれぞれ約15分程の時間を要し、ジャニーンは他のメイクアップアーティストが施したメイクのチェックをし、OKサインを出す。

「私はチームメンバーたちの指揮者のようなもので、彼らとはとても距離が近いの。皆私のことを理解してくれているし、何をすれば良いのかも分かってる。私が中に入って指揮をとることが重要なのよ。」

出典 https://www.asianfanfics.com/story/view/840072/24/once-i-was-real-you-leo-vixx-hakyeon-ravi-ken-hongbin

サンドイッチやコーヒー、お菓子などが用意されたテーブルではモデルたちが自らの順番を待つ。

「結構リラックスできるのよ」とブルーグレーの目にブラウンのストレートヘア―をもつ18歳ドイツ人モデルBirthe Harms(ビルテ・ハルムス)はメイク中にそう話した。

「ショーのことを頭に思い浮かべて、心の準備をしているのよ。」

6名のアーティストに取り囲まれメイク中の17歳エストニア人モデルLiis-Kristiin Narka(リース=クリスティーン・ナルカ)はステージ前に学校の宿題について考えるなどして気を紛らわすようだ。

「もう今では慣れっこになっちゃったけど、最初は自分がメイクしてもらえるなんてすごくカッコイイことだと思ったわ。」

出典 http://fashiontographer.com/backstage-bcbg-ss14/

モデルたちが一列に並び準備が整うと、アーティストたちはメイクパレットを片手にメイク台を離れ、モデルがステージに踏み出す直前まで手を止めない。

顔だけでなく腕や脚まで再度確認し、必要であればさらに手を加える。

そしていよいよステージのライトが落ちるとメイクアップチームは特別なライトを使い作業を続ける。

「私たちはとにかく見た目をパーフェクトにしなければいけないの。」とチームの一員である32歳のClaudia Savage(クラウディア・サヴェージ)は言う。

「最初のメイクでは見つからなかった不備も含めて、もう少し手を加えるかどうかまですべてチェックするの」と最終段階の慌ただしさの中でも楽しんでいる様子だ。

出典 http://dailyfashionandstyle.com/makeup/runway_makeup_bold_dramatic_looks-81.html

「すごくワクワクするわ。大変なこともあるけどとても楽しいの。」

「冒険的で、創造的で、面白みがある。ストレスになることもあるし、とても挑戦的なことではあるけど、自分の好きなことを仕事にすると、仕事をしているっていう感覚がなくなるのよ。」

スケジュール通りにショーが始まり、スタッフたちはやっと息をつく。

彼らは無事ミッションを遂げたのである。