130年という歴史の重みを感じながら、ここ最近常に苦境に立たされているブランドを引き継ぐことは厳しい選択だ。

しかし、あえてその困難な道を選んだ人物がいる。

ここ3年間でランバンの3代目となる新アーティスティックディレクター、Olivier Lapidus(オリヴィエ・ラピドス)氏が心躍らせるランウェイを復活させた。

Wマガジンの編集者Stefano Tonchi(ステファノ・トンチ氏)が「ここ15年間、こんなランウェイは見たことがない」と語ったほどだ。

勝負に出たオリヴィエ・ラピドス

ラピドス氏が復活させたものは、大きく下記の4つに集約できる。

①ブランドロゴ:シルクのドレス、プレイスーツ、バッグ、あらゆるところにグラフィカルなロゴを取り入れた。

②チューリップ型巻スカートに柔らかいブラックドレス:シンプルでシックな印象のものが多かった。

③アシンメトリーのヘムライン:片足は太もも上くらいの丈、もう片方は膝やくるぶし丈という片足がすっかりあらわになる大胆な丈感。

④三重のベルト:ウェスト、そしてヒップをくっきりとさせるようなベルト。

彼は本分から解放された美学を見せつけたのだ。

一方、彼が復活させなかったものは、ランバンにとってのエレガンス、特性、むしろはっきりしたアイデンティティだろう。

波乱の3年間に終止符を打つ

最も愛されていたデザイナーのうちのひとり、2015年後期に突然解雇されたAlber Elbaz(アルベール・エルバス)氏だけでなく、彼の後任だったBouchra Jarrar(ブシュラ・ジャラール)氏はたった16ヶ月で退任を余儀なくされた。

とりわけ経営体制自体が変わっていないことが問題の大部分を占めているように見える。

ラピドスはThe Beatles(ビートルズ)も愛したユニセックスなコレクションで有名なTed Lapidus(テッド・ラピドス)氏の息子であり、ここ最近は彼の名前を冠した「e-couture」(彼本人によるオートクチュールの意)を発表してきて、たった7月に新規ディレクターに就任したばかりなのだ。

そう、だからランバンを再生するための時間がたっぷりとあったわけではない。

これはおそらく、甲部分についたちょう結び、つま先が見えるように前面部分が切断されたフラットなボウシューズがこのランウェイでの一番斬新なアイディアだったことにもつながるだろう。

まだ判断するには早すぎるが、事態は変わるだろうと感じさせる十分なランウェイを成功させたラピドス。

もしそうでなければ、ランバンは、現存する最も古いオートクチュールとしてではなく、むしろたった3年でいかにブランドが滅びたのかというビジネススクールでのケーススタディとして、瞬く間に有名になるだろう。