今パリはデビューのシーズンである。

土曜日の夜、ニューヨークに拠点を置くデザイナーJoseph Altuzarra(ジョゼフ・アルチュザラ)がパリでのデビューを果たした。

フランスに戻ってきたヒーローの話である。

これはロマン主義とファンタジーを現代的装いに融合させるという難しさを可能にしたデザイナーによる大ヒットなショーであった。

さらにアメリカ、中国、フランコ、バスクという血筋を持ちパリで育ったアルチュザラであるが、今回のショーはニューヨークファッションにとっても成功だったと言える。

なぜなら今までのヨーロッパのコレクションを見てきた中でも一番美しいラインナップだったからだ。

コレクションの中心は、赤や黒、パープルブルーの色味のバンダナ柄やフィッシュネット、ボーダー、柄の入ったガーゼで仕立てられたスマートドレスのシリーズで、膝にかけてしなやかにカットされている。

アルチュザラはこのドレスにモンゴルの羊の毛と部族モチーフでできたキルトのシルバージャケットを合わせた。

彼のインスピレーションの中で、チャールズ・フレーゲルが『ワイルダー・マン』シリーズで書いた異教徒儀式があり、そこに出てくる女の子が上品ながら、かすかに危険な雰囲気でもあるのだ。

アルチュザラはアスレチックストラップやトルコポンポン、ボタンなどをほとんど自身で取り付けたが、全く違和感がない仕上がりであった。

さらに通常の2倍ほどの長さのあるベルトとハイテクなセンチュリオンブーツは完璧なもので、それは自然とファッションがミックスされたものだと彼は言う。

そして5重にもなるアセテート生地と金属の薄いガウンはコンセプト通りの出来となった。

「とても素敵だったわ」

Kering(ケリング)最高経営責任者でアルチュザラの45%の株式を所有するFrançois-Henri Pinault(フランソワ・アンリ・ピノー)の妻Salma Hayek(サルマ・ハエック)微笑みながらそう言った。

今回のショーから、アルチュザラへの投資は実に賢い決断だったと言える。

実はアルチュザラはパリ6区にある昔彼自身が通った学校にそこでステージショーを開催したいとの旨を申し出たところ断られてしまい、代わりにリセ・ジャンソン=ド=サイリ学校で開催し、キャストらが学校の広大なコートヤードのポーチに沿って素早くマーチした。

「ここに来て、フランス的な何かをするのではなく、自分らしくいれる努力を意識的にしたんだ。この場所は僕の昔の学校に似ているからとても不思議な気分だよ。だから、自分の少し変わりものな部分と不安な部分を繋ぎ合わせてた。そしたら、僕の中で何かワイルドなところへ辿り着いたんだ。」と単発ショーとしてはシーズン最高のキャスティングを披露したアルチュザラは言う。

「僕たちは、パリが新しいチャプターだというように感じて欲しかった。だからモデルも新しくて新鮮に見えるべきだと思ったし、それがエネルギーと刺激をもたらしてくれるんだ。」と締めくくった。