ニューヨーク・ファッションウィークで Joseph Altuzarra(ジョゼフ・アルチュザラ)が、自身のシーズナルコレクションショーの拠点を近い将来にパリに移すと発表したときは驚きの嵐が巻き起こった。

ビジネス、そして国際的な認知度を高めるという点でも賢明な判断だったが、個人的な面に置いても感情を揺さぶる決断であったといえる。

というのも、アルチュザラはパリで育ったため、2018年春コレクションでのデビューがパリへの凱旋となるからだ。

実際、招待状は幼いアルチュザラが1990年にパリで遊んでいる姿を映した写真に印刷され、ランウェイは彼が実際に通ったところではないものの、第16区にあるシックなハイスクールにセットされた。

ショーのセッティングと呼応して、招待状にはこのコレクションが「純真さの喪失、成長と大胆不敵さの享受」をコアテーマにしていると書かれていた。

黒いフィッシュネットのドレスやスカート、白いガーゼブラウス、バンダナプリントなど、いくつかの要素にはフランスのファッションの繊細さが見られるものの、2018年春コレクションはパリジャンスタイルにあまりインスピレーションを受けていないようだ。

アルチュザラ得意のデザインであるセクシーなスリットの入ったぴったりしたドレスやスカート、シャープなシルエットのテイラードジャケットやモデルのウエストを強調するベルト、そしてモンゴリアンファー、レザー、メタリック素材やクロシェニットなどのテクスチャーや素材をミックスする手法は未だに健在で、アルチュザラの世界観とそれを超えた世界をよく表現したコレクションだった。

そしていつものようにランウェイのライトの下できらめくスパンコールの刺繍が施されたフィナーレの衣装でショーは締めくくられた。

下ろした髪に最小限のアクセサリーで、ビーズやフリンジなどの細かい装飾にも関わらず颯爽とランウェイを歩くモデルはまさに「フレンチガール」を体現していたといえる。