「自分自身を魅せるためだけの美しさに、関心を抱いたことはありません。」

Stella McCartney(ステラ・マッカートニー)は、2018春夏コレクションのバックステージでこう語った。

ショーが開催されたパレ・ガルニエのオペラハウスを彩る、優雅なフレスコ画の天井と巨大なシャンデリアのもと、ファッションデザイナーが大理石の床に立ってこのような発言を口にすると、まるで冗談のように聞こえるだろう。

しかし、彼女はこれまでにも相対するとされてきた、ハイファッションとエシカルファッションをひとつのコンセプトに掲げ、両者を隔てる壁を打ち破ってきた。

彼女のミッションは、サステナブルビスコースや、皮革の代替品であるクルエルティフリー素材から作られる衣料品が、ニッチ市場の一部の需要に留まることなく、パリファッションウィークのランウェイで堂々と発表されることだ。

今回のショーの招待状には、レーベルのロゴが施された再利用可能な低密度ポリエチレン製ゴミ袋が巻かれており、一貫してエコフレンドリーなブランドポリシーを強調した。

また、最新の広告キャンペーンではスコットランドのゴミ処理場を舞台に、モデルのBirgit Kos(ブリジット・コス)が錆びた廃車にキャメルのジャンプスーツで横たわるルックや、レースのパーティードレスを纏ったIana Godnia(イアナ・ゴードニア)が、山積みになった古紙に寝そべるヴィジュアルが撮影された。

これらの取り組みは、ファッション産業の使い捨て消費の現状について、より議論が深まることを意図したものだ。実際にマッカートニーは、海洋保全を目的としたプロジェクト『Parley for the Oceans(パーレイフォーザオーシャンズ)』で回収されたプラスチックボトルを原材料にした繊維を用いて、トレーナーやハンドバッグを制作している。

さらに、パートナーシップ関係を結ぶファッション再販サイトRealReal(リアルリアル)において彼女は、全世界規模で衣服の75%を占める廃棄量の削減を目指す手段として、再販を奨励し既存製品の価値創造を図る『サーキュラーエコノミー』の実現を提唱している。

今季のコレクションラインナップは、まさにStella McCartneyの顧客が求めているものが並んだ。

大注目のダブルブレストジャケットは春夏向けの肘丈の袖で登場し、シグニチャーアイテムでもあるジャンプスーツは、しなやかなテーラードスタイルとスーツシルエットで展開された。

フレンチタフタで作られたイブニングセパレートは、パフボールスカートとラッフルブラウスの組み合わせで、立体的パターンとディテールの美しさを魅せた。

「いつもパーティードレスで、こういうことをしていました。平らにするために裏地をとってみたり、カットしてみたり。」と、マッカートニーは話す。

来年、Stella McCartneyのロンドンの旗艦店は、ランドマークでもあるオールドボンドストリートへ移転する。これは、レーベルの強い財務成績を裏付けている。

2016年の売上高は31%増の4,170万ポンドとなり、利益は42.5%増の7百万ポンドとなった。同社は事業の環境への影響を測定し、環境損益結果も公表する。

2016年には、この影響は2%増加し、ビジネスの成長よりも大幅に小さくなっている。同社は、バージンカシミア繊維を廃棄物とみなされていた再生カシミアに置き換えるなど、原材料使用が減少することにより、生産量と販売量の増加が大きく相殺されたと分析した。