イギリスファッションブランド『Boden(ボーデン)』は、”mum=母親” という単語に付随するネガティブなイメージを払拭するためのキャンペーンをスタートさせる。

母親はダサくなんかない!

“Wear It Like A Mum”と名付けられたこのキャンペーンは、母親のファッションに焦点を当て、母親たちが自身の経験をシェアすることで、子供を持つ女性の気持ちを代弁している。

キャンペーンに登場するのは、Mumsnet(母親たちのオンライン意見交換の場)創始者でありCEOのJustine Roberts、Peanut and Bumble(ママ友作りのアプリ)の創始者であるMichelle Kennedyなど、イギリスでも影響力のある女性たちだ。

ボーデン曰く、彼女たちは「母親になってもスタイリッシュになれる」ことの証明だそう。

ボーデンのブランド統括責任者であるPenny Herrimanは言う。

「母親とファッションは相反するものという認識が世の中にはあるわ。私たちはこの認識を変えて、スタイリッシュで素敵なママ達を応援したいの。母親だからって、どうしてファッションに妥協して生きていかなければならないの?」

言語学的見地から示されたある傾向

このキャンペーンはある研究結果がきっかけとなって生まれた。

イギリスメディアにおいて”mum”という言葉とファッションがどのような相関性で使われているか、そしてそれが女性の服選びにどのようなインパクトを与えているかを調べる研究が、イギリス在住1000人の母親を対象に行われた。

ほぼ半数(49%)が子供を持ってから自分を魅力的だと感じなくなったと答え、38%がメディアが与えるネガティブなイメージを指摘した。

大多数(66%)が子供を持ってからファッションを変えたと答えている。

「母親」としてどのようなものを身につけるべきかという質問に対して、72%が「快適さ」、67%が「実用性」と答え、その一方で、「ファッショナブル」「スタイリッシュ」などの言葉を連想した人は15%しかおらず、「セクシーさ」と答えた人にいたってはわずが1%に過ぎなかった。

いわゆる「母親のように見えるファッション」は、明らかに避けるべきものだという認識があることも明白に。

さらに、”mum” “mother”という単語はネガティブな状況で使われることが多いのに対し、”dad” “father”はポジティブな場面で用いられることが多い点も明らかとなった。

この研究に携わった言語学者Michael Farrelly教授は次のような見解を述べている。

長年にわたり、イギリスメディアは、「母親」を核家族・悲惨な出来事・ネガティブな感情などのイメージと大げさに結びつけていたと考えられる。「母親」とは、家族の重荷を抱える存在だという認識。「母親のように」見えることへの嫌悪感もある。言語学的・社会学的観点からも、「母親のよう」であることは避けるべきだという共通認識が我々の社会にはあるのだ。

かのオックスフォード英語辞典には次のような記述がある。

“mumsy(母親らしい)”とは “退屈な家庭性の印象を与えること。やぼったく、ださい”

 

People

F-MAGAZINEは、世代をリードするクリエイターやアーティスト達を紹介しています。



VIEW ALL >