アマゾンは7月にシンガポールにオンライン取引で進出したが、そこには巨大なライバルアリババがすでに居座っていた。

Photo: AFP Forum

アマゾンのシンガポール進出

自国のオンラインショッピングのシェアで圧倒的シェアを誇っているアメリカを拠点とするアマゾンと中国のアリババの両社は、今後、急成長が見込まれる東南アジアの市場を巡って競争が激化している。

アマゾンは今年の7月に東南アジアに進出し、シンガポールでは、日本でも馴染みのある「prime・now」の提供を開始している。

シンガポールでの「prime・now」は、40シンガポールドル(29ドル)以上の注文で、送料無料で2時間以内に配達するという内容。

アマゾンのプライベートブランド製品から、食料雑貨品、エレクトロニクス、おもちゃとゲーム、文房具、美容製品などの商品がそこでは購入が可能だ。

同サービスのシンガポールでの展開は、今後、東南アジアに向けてサービスを拡大するために実験的に開始されたものであると考えられる。

「prime・now」を開始した初日の受注量は、2015年にシアトルで開始した時の3倍での受注を受けたという。

ただ、一方でシンガポールでは、すでに先行企業と、ライバルである中国のアリババがEC市場の大半を牛耳っている。

Photo: Reuters/Chance Chan

巨大な電子取引市場を牛耳るアリババ

ジャック・マーによって、中国でアリババ・グループ」は、瞬く間に中国のEC分野において圧倒的なシェアを獲得し、今後は、東南アジアのEC市場のシェア拡大を目指して、数十億ドル以上の資金を投入している。

アマゾンは、膨大な在庫を倉庫に抱え、そこから消費者に届けるモデルだが、アリババは在庫を所有せず、売り手と買い手が商品を交換するプラットフォームを提供するモデルであるため、アマゾンの事業モデルに比べて比較的容易に海外展開をすることが可能である。

また、アリババは東南アジアでの事業拡のために、M&Aを積極的に行なっており、「ラザダグループ」や「レッドマート」などいずれもシンガポールなどの東南アジアでECを展開する企業を傘下に収めることで、アマゾンの進出に先手を売っている。

さらにアリババは、「Uber」や「ネットフリックス」と提携し、アマゾンの「prime会員」のような事業もすでに開始している。

アリババの傘下に加わった「ラザダグループ」は、東南アジア6カ国で事業を展開し、月に660万人を超える顧客を抱えており、2016年にアリババによって買収されて以来、注文が3倍に増加した。

マレーシアでは、アリババは世界初の『デジタル自由貿易ゾーン』を建設するために、物流の整備と倉庫拡充に多額の投資を行っており、マレーシア首相は今年初めにアリババの創業者ジャック・マー氏を「デジタル経済アドバイザー」に任命し、2020年までに中小企業の成長を促進し、その国の電子商取引を2倍にすることを目指している。

まさに、「死角なし」にも見える、の”ECの巨人”アリババのいる東南アジアで、アマゾンは、この市場にどう割って入っていくのだろうか。

今後の動向に注目したい。

 

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