ロンドンを拠点に英国のファッション、映画、音楽の取引を行うクリエイティブインダストリーフェデレーション(以下:CIF)は、独自のグローバルタレントリポートを発表し、EU離脱に伴う英国と欧州間のフリームーブメントの制限が、ファッション業界の人材確保に有害な影響を及ぼすという見方を示した。

「フリームーブメントの終焉は、国際的な才能を重んじる英国のビジネスにとって、非常に大きな懸念をもたらすでしょう。有能な人材へのアクセスを失うということは、これまで英国企業が得意としてきた雇用の創出が、極めて難しくなるということです。」と、CIFの最高経営責任者John Kampfner(ジョン・ケンプファー)氏は述べたている。

英国政府は、移民を減らす手段として2019年3月までにEU間でのフリームーブメントを終結するとしている。

EU側は、貿易や税金に関する条項の交渉をする際、英国の要求には容易に応じないと思われる。こうした動きは、フリーランサーに依存しているクリエイティブ産業に大きな問題を引き起こすだろう。

また、ビザの発給を伴う事務手続きまで企業が請け負うことも考えにくい。

一方でこの報告書には、フォトグラファー、モデル、建築家といった有能な人材の雇用の継続を可能にする解決策についても言及された。(英国のファッション業界で雇用されている16万人のうち、9万8千人がフリーランサーとして活動する)

CIFは、クリエイティブフリーランサービザの導入を発案し、短期間ビザ発給の増刷や、欧州のクリエイター向けに当日の雇用を可能にする手段を考案している。

この提案は火曜日にOECDより発表された、英国での自営業者の増加を示す経済調査報告を受けて提出された。

全体として、英国のクリエイティブ産業は、860億ポンドの経済規模を誇り、2016年の雇用率は昨年に比べ5%増加した。

2016年には、この分野におけるEU加盟国からの雇用者は13万人に達した。CIFの調査結果によると、英国ファッション産業におけるEU加盟国籍の労働者数は、音楽、映画についで4番目に高い。

「ランチタイムにパリからロンドンへ、ユーロスターに乗ってやってくる人が当たり前のようにいるのは、入国するのに書類審査が不要だからです。また、政府は金融業など他の業界に比べ、クリエイティブ産業の働き方には、はるかに柔軟性があることも認識しています」と、ケンプファー氏は英国のワークスタイルの現状について語る。

才能を確保することは、政府の移民諮問委員会に加盟するCIFにとって最優先事項だ。

OECDによると、英国の労働生産性はEU離脱確定と同時に減少しており、2017年第2四半期の経済は0.3%減速した。

EU離脱に伴い、2019年までに英国のGDPは4千万ポンド(5,270万ドル)減少するとも考えられる。

「クリエイティブ産業は石油やガスより大きい。これは、英国経済の成長におけるまさにエンジンです。こうした発展を危険に晒すものは何であれ、この分野に打撃を与えるだけでなく、最終的には、国全体の経済的幸福を損なうのです」と、ケンプファー氏は締めくくった。

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