第5回目となる本年度のLVMH Prizeは、90カ国以上から1,300以上の応募があった。

そこからわずか20ブランドが、セミファイナリストとして残った。

2018秋冬コレクションのパリ・ファッションウィーク会期中の3月1日と2日の二日間に渡って、48人の国際的なファッション業界の専門家による厳正な審査の結果、最終的には9ブランドがファイナリストとして勝ち上がった。

その9ブランドのデザイナーたちはLVMH Prizeのファイナリストとして更なる審査を受け、6月6日にルイヴィト財団で受賞者が決定する。

ファイナリストの結果を受けて、LVMH代表取締役のアルノー氏は以下のようにコメントした。

「第5回目となるLVMH Prizeの非常に高い争いとなり、クオリティやクリエーションの側面からも、素晴らしいデザイナーたちがファイナリストとなるべく争いました。

通年は、ファイナリストは8という枠を設けていましたが、専門家の投票で全くの同票数だったブランドがあったため、本年度は特別に9ブランドとなりました。審査の難しい、高レベルなデザイナーたちを誇りに思います」。

ファイナリストの3ブランドはデザインデュオ。

また、今年は多様性に富んだ才能が見られるのが特徴です。

2つのブランドはメンズウェア、2つのブランドはウィメンズウェア、2つのブランドはメンズとウィメンズの両方、さらに3つのブランドは性別を持たないユニセックスで展開されている。

Charles Jeffrey Loverboyは昨年もファイナリストとして名を残し、本年度も顔を見せた。

また、9ブランドのうち4ブランド(およそ半分)はロンドンを拠点に活動するデザイナーであるという点も際立つ。

ファイナリストに残れなかったブランドも、二日間の審査期間中には業界トップと触れ合う機会が与えられ、有意義な時間となったはずだ。

受賞者が告げられる6月6日。

LVMH Prizeは業界のアワードの中で最も受賞金が高く、1年間のパリ・コレクションでのショーやプレゼーションのサポートを受けられるという、デザイナーの将来の鍵を握っているような賞であるが故に審査員にとっても、とても厳しい判断を求められるはずだ。


9人のファイナリストはこちら(アルファベット順)

A-COLD-WALL(ア コールド ウォール)

ヴァージルのアシスタントを経て、ブランドを立ち上げたサミュエル・ロスによるメンズウェア。

ロンドンのストリート カルチャーと英国労働者階級の時代精神に対する主張をウェアで表現する。

慣習に囚われないテーラリングと無駄のないデザインのコレクションを提示している。

BOTTER(ボッター)

アントワープに拠点を置くオランダ出身のデザイナーデュオRushemy Botter(ルシェミー・ボッター)とLisi Herrebrugh(リジー・ヘレブラー)によるメンズウェア。

ラフ・シモンズ、ドリス・ヴァン・ノッテン、マルタン・マルジェラなど多くの一流デザイナーを排出してきたアントワープ王立芸術アカデミー出身の二人。

現代を風刺的に、ウィットに富んだ手法でウェアとして表現する。

CHARLES JEFFREY LOVERBOY(チャールズ・ジェフリー ラバーボーイ)

かつてのヴィヴィアン・ウエストウッドを彷彿とさせるアバンギャルドなロンドンのデザイナー、Charles Jeffrey(チャールズ・ジェフリー)によるウィメンズとメンズウェア。

スコットランド出身で、2015年にセントラル・セントマーティンズを卒業。

破壊的ともいえる前衛的なコレクションは、人体のシルエットを一旦無視して、再構築したかのようなウェアが揃う。

一方で、タータンチェックなどの英国伝統素材をパンキッシュに仕立てる技術の高さも持ち合わせている。

DOUBLET(ダブレット)

東京在住の日本人デザイナー、井野 将之による、ジェンダーレスなブランド。

東京モード学園卒業後、企業デザイナーとして経験を積み、その後MIHARAYASUHIRO(ミハラヤスヒロ)にて靴・アクセサリーの企画生産を務めた。

2013春夏でDOUBLET(ダブレット)を立ち上げるや否や、2013 Tokyo新人デザイナーファッション大賞」プロ部門最優秀賞を獲得し、ビジネス支援デザイナーに選出された。

3年間の支援プログラムを終えた2017年TOKYO FASHION AWARD受賞。

ベーシック・スタンダードなアイテムを基本に唐突なアイデアを混ぜ込んだ『違和感のある日常着』をコンセプトに掲げ、ウェアからアクセサリーまでのトータルアイテムを展開している。

ECKHAUS LATTA(エコーズ・ラッタ)

ニューヨークとロサンゼルスを拠点にするアメリカ人デザイナーデュオ、Zoe Latta(ゾーイ・ラッタ)とMike Eckhaus(マイク・エコーズ)によるニューヨークの都会的なウィメンズとメンズウェア。

ブランドテーマは『美しさの境界を探って、この概念を違うレベルに影響をもたらす』。

芸術的な感性と絶妙な切り口が巧く交差したコレクションは、唯一無二な世界観を作り出す。

KWAIDAN EDITIONS(カイダン・エディションズ)

ロンドンを拠点とするフランスとベトナム系アメリカ人のデザイナーデュオ、Lea Dickely(レア・ディックリー)とHung La(ハン・ラー)によるミックス・アンド・マッチをコンセプトにおくウィメンズウェア。

ファブリックを生かしたベーシックアイテムに力を入れている。

細身のロールネック、サロペットにインスパイアされたパンツスーツ、洗練されたウィンターコートなど。

LUDOVIC DE SAINT SERNIN(ルドヴィック ドゥ サン サーナン)

パリを拠点とするフランス人デザイナー、Ludovic de Saint Sernin(ルドヴィック ドゥ サン サーナン)によるジェンダーレスなブランド。

2018春夏、モデルを使ったプレゼンテーション形式で初めてのコレクションを発表。

そこではフラジャイルな雰囲気のモデルが、服を纏いつつもスタイリングにより肌を露出させ、艶かしい世界観が表現された。

端正なカッティングやバランス感覚、そして匂い立つ色気、セクシュアルなムードがブランドのオリジナリティ。

Matthew Adams Dolan(マシューアダムスドラン)

ニューヨーク在住のアメリカ人デザイナー、Matthew Adams Dolan(マシューアダムスドラン)によるジェンダーレスなブランド。

ニューヨークのパーソンズ美術大学卒業。

素材やスタイルから中性性を掲げ、特定な性を連想させない革新的なコレクションを提示する。

ROKH (ロック)

ロンドン在住の韓国人デザイナー、Rok Hwang(ロック・ファン)によるウィメンズウェア。

2010年にセントラルセントマーティンを卒業し、Phoebe Philo(フィービー・ファイロ)のもと、Celine(セリーヌ)でデザイナーとして働き、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)やChloe(セリーヌ)でもフリラーンスを務めた。

シャープでジェンダーレスな印象のコレクションに、いくつもの遊び、トランスフォーメーションが隠されている、遊びココロのあるウェアを展開。

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