スペインのラグジュアリーブランドLOEWE(ロエベ)が、世界各地の最高の芸術性を持った現代のクラフトマンシップを発掘、称える為にスタートした「ロエベ クラフトプライズ」をイギリス・ロンドンにあるデザイン ミュージアムの特別展にて‪5月4日〜6月17日‬の期間で開催している。

ロエベ クラフト プライズとは

170年の歴史を持つ同ブランドのロエベ財団によって2016年に立ち上げられ、昨年に続き、第二回目の開催となる栄誉あるもの。

昨年2017年にはスペイン・マドリード、ニューヨークに加え、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3でも巡回展が開催され多くの反響を呼んだ。

東京での巡回展には、同ブランドのクリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンも合わせて来日し、「クラフトはロエベの真髄だ」と語ったほど、同プライズはブランドにとっても価値あるものとなっている。

アルチザンによる最高峰の芸術作品

全てプロのアルチザンの手仕事による、セラミック、ジュエリー、テキスタイル、ウッドワーク、グラス、メタルワーク、家具、ペーパークラフト、ラッカーといった様々な分野で、アーティストの国籍、世代も多岐に渡るバラエティー豊かなものになっている。

今回、その中からプライズに輝いたのは、セラミック・アーティストのジェニファー・リー(スコットランド)の作品である「Pale, shadowed speckled traces, fading elipse, bronze specks, tilted shelf」。

伝統工芸に基づき、磨き上げられた手仕事による独自のメソッドによって生み出され、粘土に酸化した色を組み合わせたセラミック作品は、一段目を引くものがある。

クリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンはこのように語っている。

「ジェニファー・リーは僕にとって“フォームのランドマーク”です。審査員たちはその古典主義とタイムレスな永遠性を賞賛しています」。  (ロエベ  クラフト プライズより)

また、当初予定していたプライズは1作品であったが、デザイン、建築、ジャーナリズム、評論、美術館のキュレーター、そして2017年度の同プライズのウィナーであるエルンスト・ガンペールを含む審査員たちは、全ての作品が素晴らしかったことから特別賞を授与することに同意し、追加で2作品が選ばれた。

追加による特別賞を受賞したのは、リサイクル素材を使用した彫刻作品を仕上げたテキスタイル・アーティストのシモーヌ・フェルパン (フランス) の 「Croissance XL (XL Growth)」と、日本の伝統に敬意を払いながらも捉われない、革新的なセラミック作品を生み出した陶芸家の桑田卓郎の「Tea Bowl」。

どちらもプライズに輝いた作品に劣らず、個性的かつ芸術性の高い作品となっている。

過去最多の日本人アーティスト選出

2018年度の選考にあたっては、11名の選考委員がスペイン・マドリードで2日間にわたる厳正な審査を実施し、全ての応募作品を審査した上でファイナリストを選出。

選考過程で選考委員が重視したのは、技術的成果、革新性および芸術観において最も卓越した作品を選ぶことだったという。

審査委員長アナツ・ザバルベアスコアは選考過程について次のように語る。

「今年の審査は、どのカテゴリーも応募者のレベルが非常に高く、これまでになく難しい作業となりました。ここに選ばれた作品は、用いられた媒体をまるで錬金術のように巧みに扱うことでその可能性を引き出しているもの、また伝統技法を習熟した上で見事に現代的な解釈を加えているものばかりです。ファイナリストの幅広い年齢(26歳から76歳まで)は今日のクラフトの粋を集めた1枚の多世代スナップ写真のようです。」 (ロエベ  クラフト プライズより)

日本からは特別賞受賞者の桑田氏の他、ARCO、佐故龍平、横山翔平がノミネートされ、過去最多となるアーティストが選出され、審査員、同ミュージアムへ足を運ぶ観客からも注目を浴びている。

LOEWE Foundationさん(@loewefoundation)がシェアした投稿

日本のクラフトマンシップに基づくような伝統工芸と素材を使用した作品たちはどれも、文化と伝統を継承しながらも前衛的かつ革新的なものとなっており、これらは、同プライズのテーマ、ブランドの真髄と重なる部分があり、とても魅力的なものとなっている。

更に、デザイン・ミュージアムの特別展となる同展示は、期間中、誰でも無料で見ることが出来る。

同ミュージアム1階にあるショップでは、同展示の関連グッズやロゴトップス等のブランドの一部のアイテムが購入だ。

クリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソン就任後から更に盛り上がりを見せるロエベ。伝統と革新が入り混じる都市、ロンドンへ足を運んだ際には、最高峰の伝統と芸術が融合された作品たちに触れるために、同展示を是非訪れてみるのも良いかもしれない。

People

F-MAGAZINEは、世代をリードするクリエイターやアーティスト達を紹介しています。



VIEW ALL >