ニューヨークのファッションミュージアムMuseum at FIT(FITミュージアム)では、「Unraveled(アンラベルド)」というタイトルで、ダメージ加工されたり、フィニッシュ加工されていない生地の展示がされている。

展示では「Comme des Garçons(コムデギャルソン)」のデザイナーの Rei Kawakubo(レイ・カワクボ)氏の作品である、いくつもの穴が空いたレース製のセーターがディスプレイされている。

近年、ダメージ加工されたファッションには根強い人気がある。

人々はどうして完璧ではないファッションに魅了されるのだろうか?

FITミュージアムキュレーターのColleen Hill(コリーン・ヒル)氏によれば、「ここ数年の間にファッション史の研究家や学者達の間で、どこか完璧ではないファッションスタイルへの関心が高まっている」という。

Unraveledの展示では、修繕されたり、改造されたりした生地の展示に焦点を当てており、18世紀の頃のコルセットを大きくして、ミスマッチなファブリックが施されたものや、同時期の靴を片方を修理し、もう一方はボロボロのままというような、ちょっと変わった展示がなされている。

こうした着古した生地や衣服そのものを解体したような展示は、通常、衣服の生地がたどる生地の一生を示しているという。

この他にもBehind the Seams(ビハインドザシーム)というセクションを設け、通常展示では見られないミュージアムのファッションコレクションがその背景解説とともに楽しめる。

Repurposed(リパーパス)というセクションでは、衣服や生地が再利用されて新しいものに生まれ変わっていく過程を展示している。

そして次に現れるのはUnfinished(アンフィニッシュド)というセクションで、ここでは生地が縫製されていく過程で完成されていないままの衣服が展示されている。

最後に、Unraveled(アンラベルド)のコーナーで、着古された衣服やその生地の展示にたどり着くようになっている。

非完全な衣服や生地の再利用や再生することは、主張のあるファッションを作り出すことにつながる。

ミュージアムに展示されている歴史上の衣服は、通常着古されていたり、ボロボロのものもあると思われる。

が、今回はあえて故意にダメージ加工したり、完璧でない衣服を作りだし、その魅力を醸し出している。

展示は始まったばかり。

新しいファッションの可能性やエッセンスを発見できるかもしれない。

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