ヨーロッパでは、日本よりも「ファッション×環境」の考え方がもっと密接でシビアのように感じる。

紙カップやビニール袋の代わりにトラベルカップやエコバッグを持つ人が目立つし、流行と関係なくアンティークやセカンドハンド、DIYを好み古いものを大切にする人が老若男女問わず多い。

チャリティショップやDepopといった物をリユースするプラットフォームはとても人気だ。

ファストファッションありきの今のファッションとライフスタイルのあり方に対して、サステナブルファッションとはどういうものなのか?

2017年にゴミ埋立地でのキャンペーンを行なったイギリス人デザイナーのステラ・マッカートニーにスポットを当てながら考えていこう。

出典:https://wwd.com/fashion-news/fashion-scoops/stella-mccartney-shoots-her-fall-2017-campaign-in-a-landfill-10948333/

ファストファッションの落とし穴

6月末、イギリス議会ではファストファッションが環境に与えている影響とその解決策について調査すべく環境監査委員会が開かれた。

この委員会はファストファッションによってもたらされた悪影響を調査し、また地球資源を踏みつける足跡を一掃していくものだ。

調査はファストファッション商品が製造され処分されるまでのサイクルや、製造の過程での二酸化炭素排出量を計る「カーボンフットプリント」と使用された水の総量を計る「ウォーターフットプリント」など、ファストファッションの与える影響を対象に実施される。

また、廃棄物や汚染の削減にも焦点が当てられ、委員会は9月初旬までに最初の調査報告を行う予定だ。

「ファストファッションは環境に負担をかけるべきではないけれど、ファッションをデザインし作り、そして捨てられていくサイクルは環境に多大な悪影響をもたらしている。洋服の制作の過程には有害な化学物質、気象変化に作用する排出物が関わってくる。」と述べるのは、委員会の代表を務めるメアリー・クレイ議員。

イギリスのエレン・マッカーサー財団による報告によると、このままの状態でファッション産業が成長していくと2050年までに世界の二酸化炭素年間排出量の4分の一以上をファッション産業が消費していく見込みだそう。

ファストファッションは使い捨て偏重の社会を助長する。

最新の流行を捉えた大量生産は洋服の寿命を地位め、そして廃棄物処理場へ処分された洋服はメタンガス放出の一因となる。

ステラ・マッカトニーから見る、真の豊かなファッション

環境を考慮したファッション・ライフスタイルの選択は、日本よりもヨーロッパにおいての方が個人レベルで進んでいるのかもしれない。

そして、そのようなファッションを促進するある特定の個人を思い浮かべると、その一人はデザイナーのステラ・マッカトニーだろう。

5月のWWDのインタビューでマッカートニーは、「ファッション産業は年間15億の木材を切り倒し、毎秒廃棄された洋服を乗せたトラックがゴミ処理場へと回される。2017年秋のブランドのキャンペーンはこの現実に目を向けさせるもの。」と述べた。

マッカートニーはそのキャンペーンでコレクションピースをスコットランドのゴミ埋立地で撮影した。

コンセプトは消費と浪費に関しての探検旅行というもので、彼女のセオリーで押さえておくべきはウィメンズコレクションの53%はサステナブル資源から作られていると言うことだ。

「このキャンペーンをするにあたって思っていることは、私たちがどのようになりたいかと実際の私たち両方を映し出すことなの。つまり、私たちの考え方と方向性ね。私たち人間が一つ一つ積み上げてきた環境は他の生物と地球を無視しかけ離れたものであるってことを、この廃棄物の荒野を見ればわかるわね。」

ファッション業界の変化

また2017年からマッカトニーは、海のプラスチック汚染に取り組む環境団体とパートナーシップを結んでいる。

海に捨てられるプラスチックによる汚染問題は深刻で、現状のまま汚染が進んでいくと2050年には海に漂うのは海洋生物よりもプラスチックの方が多くなるとさえ言われている。

マッカートニーは実際にそのプラスチックマテリアルを使用してアディダスとのコラボレーションスニーカー「ウルトラ・ブーストX」、そしてファラベラの限定モデルとして「オーシャン・レジェンド」バックパックを制作・発売している。

他のブランドにおいても、環境への配慮を掲げることは少しずつであるがあたり前になってきている。

6月中旬には大手デパートのジョン・ルイスは不要な洋服を買い戻すサービスを試験的に発表した。

H&Mとザラはインストアリサイクルサービスを行なっており、着古した洋服を回収するボックスを設置し買い物客にリサイクルを促している。

出典:https://wwd.com/fashion-news/fashion-scoops/stella-mccartney-shoots-her-fall-2017-campaign-in-a-landfill-10948333/

あなたは何を選択しますか?

このような業界の取り組みに対して、ファストファッションが環境に与える悪影響は氷山の一角でしかないのかもしれない。

「洋服を洗濯するたびに、数えきれないほどのプラスチック繊維を下水道にそして海へ流している。結局のところ役目を終えた洋服をどこでどうやってリサイクルできるのか私たちはわかっていない。」

と述べるクレイ議員の言う通り、企業が洋服を生産し消費者がそれを購入し処分するサイクルを続けることによって、つまり消費活動によって環境を改善するということは矛盾しており実際のところ不可能に近いのかもしれない。

しかしながら、個人によってもたらされる影響は小さなことと思いがちだが、どのようなファッションを身につけどのようなライフスタイルを選択するかが一刻一刻と未来の形を変えていることには間違いない。

ファッションは自分を表現するもの。

ステラ・マッカートニーの公式ウェブサイトには、このように書いてある。

「ファッションの未来は循環型になると言う確信を持っています。デザインにより修復と再生が可能になり、お気に入りの服がゴミになることがない未来です。」

マッカトニーのように確固とした意志を表現するファッションこそが、私たち消費者にも実現可能なサステナブルファッションであり、今の時代にふさわしいライフスタイルのあり方なのではないだろうか。

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