近年ファストファッションの流行で、安くてかわいいがアイテムが普及している。そんな中、苦戦を強いられているのがエルメスやシャネルなど、”ハイブランド”と呼ばれる価格帯のブランドだ。

現代では昔のように高級ブランドに憧れを持つ若年層が減ってきているというのだ。

今の若者が10年後、20年後にブランドの購入層となる中で、新規客層の開拓に一役買っているのがブランドの美術館である。

若者のハイブランド離れ

2008年にH&M、2009年にはFOREVER21が日本へ上陸し、ファストファッションブームが到来。原宿系の古着ショップやヴィンテージファッションの流行も合わせ、若い女性を中心に安くて可愛いものが人気を得た。

80〜90年代の頃とは洋服自体の質や価格も大幅に変化している現代。使用される素材の変化は、環境問題や動物愛護などあらゆる面を考えファッション業界が変化している証拠でもあるだろう。

今の若者は昔のように高級ブランドに憧れを持つということが少なくなり、「このブランドだから買おう」から、「可愛いから買おう」に考え方もシフトしているように感じる。

ファッションの情報の得方も雑誌からSNSへと変化。普段の生活でハイブランドの広告やアイテムを目にすることも減り、今まで以上に敷居が高く感じるようになった。それでもやはり高級ブランドにはそれだけの歴史、技術、デザインや質が備わっているものだ。それらに少しでも触れるきっかけとなり得るのがブランドの美術館ではないだろうか。

出典:https://news.biglobe.ne.jp/smart/entertainment/0902/0746109902/cin_cin_339579_jpg.html

各国のブランド美術館紹介

Musée Yves Saint Laurent(イヴ・サンローラン美術館)

フランスはパリにある美術館。昨年秋にオープンしたばかりのそこにはイヴ・サンローランの財団が所有する数々のオートクチュールコレクション、デッサンやアクセサリーが展示されている。

ブランドの歴史や20世紀のオートクチュールの伝統を讃える構成だという。

出典:https://museeyslparis.com/en/

一般料金は10ユーロ(約1200円)、10〜18歳は7ユーロ(約800円)それに加え、10歳以下や服飾学生などはなんと入場無料という。

Museo Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ フェラガモ美術館)

高級靴ブランド、フェラガモが誕生したイタリア フィレンツェにその美術館はある。そこではブランド誕生の1927年からデザイナーが亡くなる1960年までの歴史を辿ることができる。

美術館には約10,000点の靴が保管されおり、彼が描いたデザイン画も多数閲覧できるという。

出典:https://www.ferragamo.com/museo/en/usa/discover/history_museum

Gucci Garden(グッチガーデン)

同じくイタリア、フィレンツェにあるグッチ ガーデン。以前はGucci Museo という名前であったが、今年1月にグッチガーデンとしてリニューアルオープンした。

全3フロアで構成されており、テーマごとに分かれたギャラリーやレストランが併設されている。グッチのこれまでの歴史を語る上では外せないアイテムやこれからのヴィジョンも体感できるという。

グッチガーデンのオリジナル商品も販売されており、グッチファンにはたまらないアイテムが揃う。

出典:https://www.gucci.com/fr/fr/store/gucci-garden?lat=43.7697794&long=11.256681

国内ポップアップ

2014年にはDiorが東京、銀座にて「エスプリ ディオール – ディオールの世界」を開催した。若者の入場を目的の一つとした展覧会は入場完全無料で行われた。

ドレス、アクセサリー、フレグランスなどを展示。クリスチャン・ディオールの時代からラフ・シモンズへ。Diorの歴史を写真や資料と共に展示した。

出典:https://www.fashion-press.net/news/12824

また、フランスのジュエリーブランド CHAUMET(ショーメ)が日本初の美術展、「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界 1780年パリに始まるエスプリ」を現在開催している。

1780年に創業し、長い歴史を誇るショーメ。フランスの英雄、ナポレオン1世と皇妃ジョゼフィーヌ御用達のメゾンとしても知られるハイジュエリーブランドである。

本展では、ジュエリー、工芸品、絵画やデザイン画など、約300点を展示。ショーメの長きにわたる歴史や当時のフランスの流行までも知ることができる。

普段ハイブランドを購入することのない若者にとって、いきなり店頭に行くというのは勇気がいる。そこを和らげ、カジュアルにゆっくりとアイテムや歴史に触れる機会を生み出した美術館という形。

こうして触れる機会を得た若者たちが、いつかこの日のことを思い出し店頭に行く。こういった試みひとつひとつが、ハイブランドの長い歴史を支えこれからに繋げる大きな役目になっているのだろう。

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